石破退陣

7日夜、石破首相は記者会見を開いて首相を辞任すると表明。昨年10月から首相の座にすわっていたので、ほぼ1年間の総理大臣職だったわけだが、もっと早い段階で辞任すると思っていたので、「意外に長く続いたな」というのが私の正直な感想である。

忌憚なく記せば、総理になった時点から「この冴えない人が日本国の代表であってはいけない」と思っていたので、辞任のニュースは個人的には喜ばしいことである。こう考えているのは私一人だけではないはずである。政治家の外見に文句をつけることは御法度かもしれないが、つねにしかめっ面で、心の底からの笑顔というものを見た記憶がない。それは心が晴れやかでないことを裏付けてもいるかと思う。

ニューヨーク・タイムズ紙は辞任直後の記事で、「自民党は支持基盤の高齢化が進み、若年層や都市部の有権者の意見から乖離してきている」と記したあと、「7月の選挙(参院選)のあと、国の政治を変容させる世代間の亀裂が深刻化した」と核心をつく指摘をした。

さらに英フィナンシャル・タイムズ紙は「自民党は1955年以来、途切れることなく日本を統治してきたが、急激なインフレ、人口減少、悪化する地政学環境といった局面をどう乗り切るかをめぐり、穏健派と保守派が対立することで次第に党内の亀裂が深まっていった」と自民党の弱体化の原因を分析している。

今後日本はどういう方向に進むべきなのか。石破退陣後、 高市早苗前経済安全保障担当相や小泉進次郎農相、林芳正官房長官、小林鷹之元経済安保相、茂木敏充前幹事長 などの名前が挙がっているが、強く推挙したい候補はいない。首相の公選制を求めている私としては「この人物であれば日本を任せられる」という人の登場を待っているが、そう簡単には現れないのである。