「屈辱」に支えられてきたイチロー

イチローが日本時間22日、 日本人初の米国野球殿堂入りを果たした。 大リーグに移籍したとき、「(自分が殿堂入りすることを)地球上の一人も想像していなかったでしょう」と述べ、殿堂入りを大変光栄であると喜んだ。

イチローの成し遂げてきた業績に文句をつける人は誰もいないだろう。野球選手としてだけでなく、一人の人間としても賛辞がおくられてしかるべきである。ただイチローは以前、「屈辱によって支えらえてきた」という言葉を口にしたことがあった。どういうことなのか。

2013年のことである。その年、イチローは4000本安打を達成する。しかし、記録を打ち立てた10日後、イチローは先発から外される。そして試合後半に代打として起用されるのだ。試合はヤンキースが大きくリードしていた場面で、他のレギュラーメンバーはすでにベンチで休んでいた。

その場面でイチローは監督から代打を告げられる。本来であれば新人選手か控え選手が登場する場面である。4000本安打を打った選手の役回りではない。イチローは言う。

「これ以上の屈辱はなかった」

イチローの長い選手生活は、こうした思いの連続によって支えらえてきたというのだ。スポットライトが当たることは多かっただろうが、同じように辛く、苦い経験も数多く経験してきている。そうした屈辱を跳ね返す力こそがイチローの選手生活を支えたということである。

風雪に耐えなければいけない時期というのは誰しもが経験する。それが将来への糧になると考えれば、乗り越えていけるはずだ。さあ、前を向いて生きてゆきましょう!