今朝(11月15日)の海外ニュースに多くの方は驚かれたのではないだろうか。
トランプ次期大統領がロバート・ケネディ・ジュニア氏(70)を次期政権の閣僚に起用するというのだ。ケネディ・ジュニア氏といえば、1968年に暗殺されたロバート・ケネディ氏の息子で、リベラルなケネディ家で生まれ育ち、ずっと民主党員だった人物である。そのケネディ氏をトランプ氏は共和党政権に引き入れようというのだ。
ただケネディ氏は今年の大統領選 で「2大政党からの独立を宣言する」と発言し、 無所属で出馬していた。8月23日になって勝ち目がないことを判断すると、大統領選から撤退して今度はトランプ氏を支持すると表明。ケネディ家としては信じられないような行動にでたため、ケネディ家の5人の兄妹が「悲しい物語の悲しい結末」と題した声明を発表した(以下)。
「ボビー(ロバート)がトランプ氏を支持するという決定は、私たちの父と家族がもっとも大切にしてきた価値観への裏切りです。(中略)この行為は 父の思い出を冒涜し、踏みにじり、火をつけるようなもので、極めて不可解であり、完全に否定し、もう縁を切ることにします」
この反応は十分に理解できるところだが、理解に苦しむのはなぜケネディ氏がトランプ支持に回ったかである。それについて本人は「本質的な違いはあるものの、重要な課題では一致している」と述べて、まったく違うわけではない点を強調。トランプ氏は自身が大統領に返り咲いた時には、「ケネディ氏を要職に起用することを検討したい」と話していたので有言実行というところである。
予想外なことが起こるのがワシントンの政治だが、ケネディ家といえば「民主党の顔」ともいえるファミリーなので、その中からトランプ政権の閣僚になること自体が信じられない話である。