ウクライナがロシアに反撃を始めて4日が過ぎた。今後、まだまだ反撃を続けてロシア軍に抵抗していくかにみえる。
そもそも2022年2月 にロシアがウクライナに軍事侵攻したのは、国際的に ウクライナ領として 認められていたクリミア半島を奪うことが目的と言われている。あれから2年半が過ぎたが、いまだに戦闘は収まらず、戦線は約1200キロにも及んでいる。戦争は一刻も早く終わらせるべきとの世間の思いとは逆に、両国がすぐに和平案に締結するようにはみえない。
今週になって、ロシアに攻められっぱなしだったウクライナが、逆にロシア西部のクルスク州に越境攻撃を開始。ウクライナ軍は国境から15キロほど侵攻したと伝えられている。これに対しプーチン大統領は「ウクライナ政権が新たな大規模な挑発に乗りだした」と発言。「やられたらやり返す」という断ち切れない負の連鎖が始まっている。これが戦争のおぞましい側面で、いくら人類が叡知を積み上げてすばらしい文明を築きあげても、殺し合いによってすべてがマイナスに転化してしまう。
ロシアのメドベージェフ安全保障会議副議長(前大統領)は今回のウクライナの攻撃を受けて、ロシアは戦闘目標を「ウクライナ全土の占領に拡大すべき」と主張しているという。もしそんなことになったら、全世界がロシアの侵攻を止めに入らなくてはいけない。
こうした状況で私の中に湧きあがる疑問は、「人間は戦うという行為の根源を体内に隠し持っているのだろうか」ということである。 人間が人間である以上、戦いはなくせないのかーー。