いまだに減らない米感染者数:新型コロナ(17)

日本全国で新型コロナウイルスの新規感染者数が減ってきている。16日、全国の感染者は57人、東京都では11人だった。落ち着いてきてはいるが、国民一人一人が警戒を緩めるべきではないし、もしかしたら自分が無症候感染者として他者に感染させる可能性があると考えてしかるべきである。

上のグラフはアメリカの新型コロナの感染者数の推移を示したものだ。以前から当欄で掲載させていただいているもので、アメリカでも少しずつ減少してきているが、15日の感染者数はまだ2万5000を超えている。

日本では感染者の累計でさえ1万6000台なので、いかにアメリカの感染者が多いかがよくわかる。この数字を見る限り、アメリカが規制緩和をする段階ではないと思われるが、トランプ大統領はすでに「わが国は次のステージに」と述べて、緩和の方向に顔を向けている。

だが米国立アレルギー感染症研究所のアンソニー・ファウチ所長は規制緩和には慎重で、科学者らしい冷静な見解を述べる。

「市や州が早い時期に緩和に向けてのチェックポイントを飛び越えてしまうと、そのあとの反動に効果的に対応できないことがある。そうなると感染爆発につながりかねない」

だがトランプ氏はそれが気に入らない。「彼の返事には正直、驚いている。私にとっては、、、受け入れられない答えだ」

失業者が急増し、経済が低迷していることは誰もが分かっている。だが「魔の感染症」によって、より多くの人が亡くなっていいわけでもない。規制継続か開放か、という明確な2者択一ではなく、知恵を絞って半歩ずつ前へ進んでいくしかないだろうと思う。