6月30日に行われた板門店での米朝首脳会談が、実は事前に下準備が整えられていたことがわかってきたが、アメリカ側で会談実現に尽力したのは北朝鮮政策特別担当代表スティーブ・ビーガンだった。過去2回の会談でも影でトランプを支えた人物だ。
米ネットニュースによると、ビーガンはオフレコの話として「アメリカは北朝鮮の核・ミサイル開発の凍結を求めている」と語ったという。凍結というのはこれまでのアメリカ政府の立場とは違う。強硬派で知られるジョン・ボルトンなどはいまでも完全な非核化、つまり政権の北朝鮮政策は「廃棄させること」であり、意見の対立がみられる。
トランプも金正恩を前にしたときに「何が何でも完全非核化」を求めているとは思えず、政権内に政策面でのばらつきが見られる。実はトランプは2017年夏、北朝鮮への軍事オプションを口にし、国家を崩壊させるといった超強硬路線の思いを述べていたので変われば変わるものである。
現実的には、北朝鮮がすべての核弾頭と核開発を廃棄するとは思えず、多くの方もそう感じているはずだ。となると、パキスタンモデルを踏襲して「保有しているけれども使用・売却させない」という方向にいくようになるのではないか(北朝鮮問題の落とし所)。そこまでいくにもずいぶん時間がかかりそうだが・・・。(敬称略)