Christmas weeks(8)

%e3%83%aa%e3%83%bc%e3%82%b912-23-16

東京銀座の中央通りに面したビルに飾られた厚みのあるリース。

リースはいまやクリスマス時だけでなく、1年を通して飾られるようになった。その歴史はかなり古く、日本語版のウィキペディアではローマ帝国時代から祭事の冠として使われたとある。

だが古代ギリシャではすでに使われていたし、イタリア中部に紀元前8世紀頃から栄えたエトルリアの国家都市では金を含めた金属のリースが使用されていたことがわかっている。

シンメトリーの美と言えるのかもしれない。

Christmas weeks(6)

christmas2

この時期になると、なんとなく切ない。

クリスチャンではないので、クリスマスを祝うという感情が心の底からわき上がってこないのだ。口先だけの「メリー・クリスマス」に終始することに寂寥感さえ漂う。

そうした中で、町はクリスマス仕様のイルミネーションに包まれる。

心は切ないままである。この時期だけ子どもに戻りたいくらいだ。

(ライトアップされたテディーベア。ザ・ペニンシュラ東京の裏口に立っています)

北方領土は戻らない

奪ったものは返さない・・・ロシアの北方領土への姿勢である。

今回のプーチンの訪日で日本があらためて思い知らされた事実だ。ロシア政府が何十年も前から返すつもりのないことは、多くの人はわかっていた。

だが安倍を含めた日本政府は「北方領土はもう返ってきません」と、今でも断言しない。それは日本側の敗北を認めることになり、メンツを失うことにつながるからだろう。

「返還の可能性はいまでもあります。むしろこれからの交渉にかかっている」というのが安倍のスタンスである。

この姿勢は国民へのウソにつながるし、将来もっと大きな落胆をもたらすことになる。

過去500年ほどの世界の領土問題を眺めると、実効支配が揺るぎない強さをもってきたことがわかる。「日本固有の領土」といった論理は脆弱で、イマこの瞬間に実効支配している事実こそが国際関係で最大の力を発揮する。

だから私は今後も北方領土が返ることはないと思っている。私がロシア人だったら返さない。

日本がそれほど取り戻したいのなら、奇襲を仕掛けて武力で制圧するという選択肢がある。しかし第2次世界大戦で牙をもがれた日本人はそのオプションをとらない。

あとは漁業を含めて、北方領土で日本側に経済的利益を呼びおこす交渉をまとめることが実利的な外交なのだと思う。