アメリカの分断

久しぶりに首都ワシントンにもどっていろいろな人と話をすると、トランプ政権への怒りを通り越した「あきらめ」と「虚無感」を感じる。

「暗殺されてほしい」と言った人もいたが、それは日本でも同じだ。だがアメリカ人のほぼ半分はトランプ支持者である。

「オバマの8年間はひどかったからね。トランプがなんとか経済が立て直してくれると思う」

スタバでであったケンタッキー州ルイビル市出身の男性はトランプを推していた。すぐに訊いた。

「それでは昨年11月には、トランプに一票を入れたわけですね」

「ああ入れたよ。ビジネスマンとして成功しているから、ワシントンでも成功するだろう」

「大統領として、あの乱暴な言動はどう思いますか」とぶつけた。

「俺はあのエクストリーム(極限)さが好きなんだ」

まるで身内の自慢話を聴いているようだった。最後に「トランプには期待している」と口にすると、綺麗にならんだ歯をのぞかせた。

学者や専門家の話にも耳をかたむけるが、市民の話が興味深い。

アメリカの分断ーー。

融合させようとする力学はいまのところ存在していないかに見える。

Media appearance

3月に入り、トランプ関連のニュースがめっきり減った。私はようやく季節労働者の役目を終えた感がある(季節労働者の終わり?)。

だがニュースの送り手の関心がいまはトランプよりも森友学園と豊洲移転に集中しているだけ、とも思える。またトランプの暴言・失言は繰り出されるだろう。

久しぶりにアメリカに来ている。今晩は海の向こうから電話でラジオ出演する予定。

 

・3月22日(水)7:00pmから(出演は7:20pm過ぎ)    東京FM(周波数80.0MHz)『タイムライン』

こんなところに五重塔が

tower3.17.18

講演の仕事で山口県に来ている。昨日は宇部市で、今日は山口市のホテルで「トランプ政権の行方と日米関係」について話をさせて頂いた。

全国から声をかけていただいているが、ほとんどが「弾丸」なので観光の時間はない。

ただ今回は主催者の方が気をきかして、山口市内にある隠れた名所と呼べる瑠璃光寺(るりこうじ)というお寺を案内してくださった。

そこに建つ五重塔は建立されたのが1442年。国宝にもなっている重厚な塔だった。

五重塔は日本中に数多くあるが、なだらかな山腹にあり、緑に囲まれた立ち姿は眼を見張らせられる。

500年以上も前に建立されたとは思えないくらいの佇まいである。しかも京都の醍醐寺、奈良の法隆寺の五重塔にならぶ日本三名塔のひとつに入っているという。

「本当にあまり知られていない名塔なんです」(主催者)

また忘れられない土地が心に刻まれた。

トランプの壁でも不法移民を阻止できない理由

ドナルド・トランプ大統領(以下トランプ)が建設予定のメキシコ国境の壁に今、大きな疑念が生じている。

「不法移民を食い止めることはほとんどできない」という現場からの声が上がっているのだ。不法移民は壁を建設したところで、国境を越えてくるという。

約3100キロの国境のうち約1100キロには、すでにフェンスが施設されている。これから建設する予定の地域も含めて、フェンスや壁が有効な手だてにはならないというのだ(トランプの壁でも不法移民を阻止できない理由)。

mexicanborder3.15.17

国境のフェンスはこうやって乗り越えます! Photo courtesy of U.S. Customs and Border Protection