早稲田大学オープンカレッジ

今年4月から春学期だけ(予定)、早稲田大学オープンカレッジで講師を務めます。

カレッジと名前がついていますが、誰でも参加できる学校で、早稲田大学の生涯学習教育機関(エクステンション・センター)が運営しています。

私が受けもつ講座名は「ワシントンレポート〜トランプ政権を取り巻くいまのアメリカ 」。

すでに先行申込を済まされている方もいるようですが、一般受付はこれからです。ご興味のある方はどうぞいらしてください。

トランプ最大の痛手

「エッ、ウソ」

今朝、海外ニュースを観ている時に大きな声で叫んでしまった。

トランプ政権の広報部長ホープ・ヒックスが辞任するというのだ。トランプがもっとも頼りにしてきたと言っていい女性である。

トランプ自身、それを認めているし、イヴァンカ&クシュナー以外では最も信頼できる側近だった。トランプが彼女を解任することはないので、自ら辞める決断をしたのである。

ヒックスが連邦下院情報特別委員会でロシア疑惑に関する聴取を受けた翌日のことだった。委員会で話をした内容は明かされていない。

それが痛打となって辞任を決めたのか、それとも理由は他にあったのか。ロシア疑惑への関与を認めざるをえない状況だったのかは定かではないが、トランプにとって、これまでの側近辞任の中では誰よりも痛手になるはずだ。

議会での聴取前から、ヒックスは周囲に辞任の意向を漏らしていたとの報道もあるが、現時点で真意はわからない。

2016年の大統領選時、私はヒックスに何度もEメールを送ったが返答をもらえなかった。当時、彼女はメディアから1日数百本のメールを受けていたので、名も知らない日本人ジャーナリストには返事をできなかったのだろう。

広報部長ではあったが、ホワイトハウス記者室の前に立って質問をうけることはなかった。元モデルではあるが、スポットライトがあたることを嫌った人である。

ヒックスはこれまで、トランプに対して「ホワイトライ(軽い嘘・お世辞)」を口にしていたことを認めている。トランプは最大の味方を失うことになり、今後ますます孤立するかに見える。(敬称略)

hicks3.1.18

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ウォーレン・バフェットからのメッセージ

世界的な投資家ウォーレン・バフェット氏が1年に一度、株主に対して記す書簡が24日に発表された。書簡と言っても、形式的な短い手紙ではない。17ページにびっしりとバフェット氏の思いが詰まっている。

投資会社バークシャー・ハサウェイの会長であり、個人としては世界第2位(フォーブス長者番付)の資産家であるバフェット氏。

その言葉だけに株主だけでなく、世界中の投資家や金融関係者が注目する。今年はどんなことを述べたのか。ネット上で閲覧できるので、主要点を4つにまとめた(続きは・・・ウォーレン・バフェットからのメッセージ)。

buffett2.28.18

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Media appearance

明日の放送メディア出演予定:

 

・2月28日(水)10:25amから テレビ朝日『ワイド!スクランブル

 

冬季オリンピックが終わり、いつもの日常が戻ってきました。トランプ政権の今後や米朝関係がどうなるかが気になります。明日は米朝関係の話です。

ロシア疑惑(1)

これから不定期でロシア疑惑について記していきます。初回は時系列で、ロシア疑惑に関するできごとを並べます。

 

2017年5月9日:

ロバート・コミーFBI長官(当時)がトランプに解任される。トランプはFBIがロシア疑惑を精査していたので、捜査の手が自分におよぶのを恐れたためとの見方がある。

5月17日:

ロッド・ローゼンスタイン司法副長官がコミーの代わりに、ロバート・ムラー元FBI長官を特別検察官に任命。

7月27日:

トランプ陣営の外交政策アドバイザーだった(1)ジョージ・パパドポロスが逮捕される。ロシア疑惑で最初に起訴された人物。後日、罪をみとめてムラーの検察チームと司法取引に応じた。

10月30日:

トランプ選挙対策本部の(2)ポール・マナフォート本部長と(3)リチャード・ゲーツ副本部長が起訴される。罪状はロシア政府と選対との関与ではなく、ウクライナ政府からの違法な資金提供や報告の不履行などで、いわゆる別件逮捕だ。

12月1日:

トランプ政権の国家安全保障担当補佐官だった(4)マイケル・フリンが起訴される。フリンもすぐに罪を認めて検察チームとの司法取引に応じた。

2018年2月16日:

(5)ロシア人13人と3企業が16年大統領選で違法行為をしたとして起訴される。その中にはエフゴニー・プリゴジンというプーチンに近い人物が含まれている。だが司法省は、起訴された人物と企業はトランプ陣営やアメリカ人と共謀していた証拠はないとしている。

 

最近まで、ムラーチームと司法取引に応じていたのはパパドポロスとフリンだけだったが、2月23日にゲーツも罪を認めて司法取引に応じることになった。

今後、起訴される関係者は増える見込みだ。注目しているのはジャレッド・クシュナートランプ・ジュニア(長男)。

ムラーが目指しているのはロシア政府とトランプ陣営との共謀の証明で、可能性は十分にある。ただ客観的にみると、現時点でシロかクロかを判断することは微妙で、結論はもう少し先になるはずだ。(敬称略)

mueller2.24.18

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