堀田佳男 Profile
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メタ情報
カテゴリー: Thought for the day,国際政治 ― 2019年8月7日
知性主義に反する男

いま60年代のアメリカ政界について書かれた本を読んでいる。速読でサッと読んではいけないというより、ゆっくり噛みしめて読み進めたい内容なので、いまのトランプ政権と比較しながらページをめくっている。

本の中に、大統領は知性主義と理想主義をたずさえながら、国家の利害のために仕事をすべきだというくだりがある。トランプに欠落しているのはまさにこの点で、感情のおもむくまま、気分次第で政治をすすめ、政敵を攻め、部下をクビにしている。

中国を為替操作国と認定したことで株価が下がり、米中貿易摩擦が加速度的に悪化するという因果関係を予見できていない。状況の悪化を読めていたとしたら、別の方策を採るべきであり、トランプの判断は未熟というより愚者の浅知恵と言うべきだろう。

こんな大統領をいまでも多くの共和党員が支持している理由がわからない。(敬称略)

カテゴリー: Thought for the day,国際政治 ― 2019年8月3日
混迷の世界へ

仕事がら毎日、世界のニュースに目を這わせているが、過去数日は重要なニュースが追いきれないくらい起きている。

個人的な判断から、あえて国際ニュースに順位をつけてみた。

1 日韓対立の激化:元徴用工の問題から日本と韓国は意地の張り合いで、現在は着地点が見えない。本当に底がないくらいの泥沼にはまってしまった感がある。アメリカ(ポンペオ)も両国を沼から引っ張りあげられない。韓国人の友人が以前「韓国人ははずかしめを受けたことは一生忘れません」と言っていたのを思いだす。

2 米中貿易摩擦の激化:トランプは9月1日から中国に第4弾の制裁関税を課す。上海で開いていた米中閣僚級会合でも関税協議は決着せず、トランプは3000億ドル相当の中国製品に10%の追加関税を課す。何を考えていえるのか。勝者はいないー。

3 北朝鮮が弾道ミサイルを発射:過去1週間で3度目。今月5日から20日まで行われる米韓合同軍事演習への反発と思われるが、トランプはいまだに金正恩を信じているようで「気にしない発言」が大いに気になる。

4 FRB(連邦準備制度理事会)が10年半ぶりに利下げ:利下げを発表しても株価は下落。FRB議長パウエルが継続的に利下げをしていくわけではないと述べたことへの市場の失望感と、トランプの追加関税発表の影響。ドルが買われて1ドル106円半ばまで円高が進んだ。

5 INF(中距離核戦力)全廃条約が失効:これによりアメリカは移動式の地上発射型巡航・弾道ミサイルを開発する予定だ。半年前、トランプとプーチン両氏がINFの破棄を決めたが、明らかに時代を逆行する動き。

トランプが世の中を悪いほうに、悪いほうに引っ張っていっているかのようで、急に好転する気配が見えない。(敬称略)

カテゴリー: Thought for the day,国際政治 ― 2019年8月1日
有志連合は入る必要なし

新しく米国防長官になったマーク・エスパーがもうすぐ来日する。オーストラリア、ニュージーランドを回ってからくるが、対イランに向けての有志連合への参加を日本に促すためだ。

トランプはイラン嫌いのポンペオとボルトンに影響をうけて、イランへの強硬姿勢を強めている。もちろん戦争をしかける準備であるが、現時点でイランに軍事攻撃をすることは国際法上も道義的にも合理性がともなわないし、理不尽である。

イランが進めている核開発をこころよく思わないことは理解できる。だがウラン濃縮度の上限が2015年の核合意できめた数値(3.67%)を超えても、まだ核兵器を製造したわけではない。イランが核保有国になったという証拠はまだない。イランが他国を軍事攻撃したわけでもない。

湾岸戦争時、アメリカは多国籍軍を先導してイラクに攻め込んだ。当時、イラクがクウェートに軍事侵攻したこと自体が大問題であり、国連が多国籍軍の派遣を決定した経緯があって戦争にいたっている。

しかし今、核兵器を所有してもいないイランに軍事攻撃をしかける理由が見当たらない。トランプ政権の暴挙としか言えない。もし核開発ということが理由であるなら、なぜ北朝鮮を攻撃しないのか。

日本はエスパーに有志連合に説得されても逆に「軍事攻撃などもってのほか」と諭さないといけない。(敬称略)

カテゴリー: Thought for the day ― 2019年7月28日
貧乏性は治りません

航空会社のマイレージがたくさんたまっていた。今秋に期限が切れてしまう分があったので使うことにした。5泊6日の夏休み。

航空券にお金はかからない。しかもビジネスクラスで往復できるだけのマイレージ数だったので、他のところにお金を割いて豪勢な夏休みを、と思っていた。けれども貧乏性はそう簡単に治らない。

私はごく普通のサラリーマン家庭で育った。貧乏と呼べるほど貧しくはなかったが、裕福とも呼べず、中流の中にいた。両親ともに倹約の美徳を知っていたので、なるべく無駄遣いをしない生活習慣が染みついている。

移動ではバスや電車に乗るのが当たり前だったが、仕事でタクシーを使う機会が増えたのでタクシーだけはプライベートでもよく乗るようになった。貧乏くささを克服できた唯一の点かもしれない。

だが今回の旅で「貧乏くさいなあ」と思った瞬間があった。ホテルにチェックインし、寝る前になって喉の渇きを感じたので何か飲みたかった。部屋の冷蔵庫にビールや炭酸飲料、さらにミネラルウォーターが冷えている。

特にミネラルウォーターはホテル価格であってもたいした金額ではない。コンビニで買うよりは高いが、冷蔵庫から出して飲んでも誰もとがめない。だが躊躇してしまうのだ。自分には「買い出し」と言いきかせて、近くのコンビニまで買いに行ってしまった。

部屋に戻ってきて水を飲み、残りを冷蔵庫にしまおうと思ってドアを開け、すでに鎮座していたミネラルウォーターのボトルの横に置いたときの言いようがない寂寥感。

嗚呼・・・。

20190724hanoi6

カテゴリー: Thought for the day,国際事情 ― 2019年7月19日
やる気ですか、大統領?

3日前の当ブログで、アメリカがいまイランとの交戦に向けていくつもの布石を打っているという記事をご紹介した(イラン攻撃へ準備整えた米国、一触即発の危機)。

アメリカ時間18日、いよいよという流れで米軍の強襲揚陸艦「USSボクサー」がホルムズ海峡でイランのドローンを撃墜し、両国の緊張がより高まっている。6月20日にイランがアメリカのドローンを撃墜したので、「お返し」という動きでもある。

ベトナム戦争の契機となったトンキン湾事件では、連邦議会も圧倒的多数でベトナム戦争介入を支持した。後年になってアメリカ側が仕組んだ事件だったことが判明するが、時すでに遅しで、ジョンソン政権は長期におよぶベトナム戦争に突入してしまう。

仮にイランと戦争になると、長期戦になることが予想されるので、アメリカ・イラン両国だけでなく関係国にとってマイナス面しか頭に浮かばない。

ただ状況を冷静に眺めると、このまますぐに戦争に行くとは思えない。トランプはツイッターで「ボクサーはイランのドローンに防衛行動をとった」と記しただけで、すぐに交戦にいたる流れではない。むしろ、いまの時点で行動を自重することが肝心で、イランなどすぐに壊滅できるなどといった誤認をトランプが信じて過激な軍事行動にでないことを切に望む。

いくらトランプが暴君であっても、ペンタゴンの将軍たちが「イランはイラクのようにはいかない」という事実を伝え、間違った行動をトランプに起こさせないようにしなくてはいけない。ペンタゴンだけでなく、直接電話で話ができる安倍がこういう時にトランプに箴言すべきである。(敬称略)