トランプ人気が急加速、悪役クルーズ登場が契機に

米大統領選は大手メディアに煽られているーー。

オハイオ州クリーブランドで開かれていた共和党全国大会を取材し終えて抱いた思いである。いきない著者の思いから入って恐縮だが、現地で見聞きしたこととメディアで報道されている内容の違いが目にとまったので報告したい。

党大会前、ドナルド・トランプ候補(以下トランプ)の支持率は不支持率よりもかるかに低く、党内がまとまらずに分裂する危険性もあるとの見方があった。

なにしろトランプは共和党の重鎮から嫌われていた(トランプ人気が急加速、悪役クルーズ登場が契機に)。

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党大会の会場外でプラカードを掲げる反トランプ派

犯人殺害にロボット投入、一線越えたダラス市警

これからの殺人犯はロボットによって殺害されるのかーー。

米テキサス州ダラスで7日に起きた警察官狙撃事件で、ダラス市警は殺人ロボットを投入して犯人を殺害した。陸軍の元予備役マイカ・ジョンソン(25)は、意図的に白人警察官の殺害を企てて犯行におよんでいた。

なぜ市警はロボットを使って犯人を殺さなければいけなかったのか。米国ではいま、殺人ロボットの使用について、倫理問題が浮上している。

経緯を簡単に説明したい(犯人殺害にロボット投入、一線越えたダラス市警)。

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Photo courtesy of robotconsumer.com

ヒラリー勝利がほぼ見えた11月の米大統領選

こんなにも変わるものなのかーー。

これが正直な感想である。昨年6月、共和党ドナルド・トランプ候補(以下トランプ)が大統領選に出馬して以来、暴言を含めて様々な主張を繰り返してきた。

だが今、過去の言い分と最近の発言とを比較すると、矛盾が生まれていることに気づく。昨年発言した内容を否定するかのように、時には都合のいいように、主張を変えているのだ。

日本の政治家にも見られることである。だがトランプは大統領候補である。主張や公約の不一致は、政治家としての資質と将来性に大きなマイナスとなるばかりか、当選の可能性を自ら低下されてしまう(ヒラリー勝利がほぼ見えた11月の米大統領選)。

 

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Photo courtesy of New York Magazine

全米史上最悪の銃乱射事件

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by Wikipedia

米フロリダ州オーランドで6月12日に起きたテロ事件は、米国が抱える3つの憂慮の根の深さを改めて示すことになった。解決不能と思えるほどの深みを見せられた思いさえある。

3つの憂慮とは、テロリズムとの果てなき戦いであり、次が銃規制、3つ目が性的少数者(LGBT)の処遇である。

100人以上の死傷者を出した米史上最悪の銃乱射事件は、3つの問題とどう向かい合うかを根本的に問うたことになった。大統領選の争点として新たに浮上してもいる(テロ主戦場ついに米国内へ、拡散招く3つの憂い)。

「トランプの壁」に騙される哀れな米国人

共和党ドナルド・トランプ氏(以下トランプ)が11月の本選挙で勝ったとしたらーー。

トランプは日米同盟を再考して日本から米軍を撤退する選択肢をほのめかしている。さらに日韓両国の核兵器保有の可能性にも言及している。

しかしこれまでの日米関係を多角的に眺めると、トランプ政権が誕生したとしても日米関係が本質的に変化するとは考えにくい。

先日、フジテレビの朝の番組で同席した自民党の下村博文・前文科相は、「トランプが大統領になったとしても今話をしているようなことは起こらない。そんな簡単に変わらない」と政治家として経験を踏まえた考えを口にしていた(「トランプの壁」に騙される哀れな米国人 )。