大好きな引っ越しができなくなったアメリカ人

米国人が引っ越ししなくなってきたという話を先日、米国の知人から聞いた。

米国人と言えば、「引っ越しを繰り返す国民」という印象がある。筆者の滞米25年の経験からも転居をよくする人たちとの思いが強い。

古い映画で恐縮だが、1955年に公開されたジェームス・ディーン主演の『理由なき反抗』の中でも描かれていた。

ディーンが演じるジムは問題を抱える高校生で、父親は息子が問題を起こすたびに転居を繰り返していた。

映画の転居はジム問題の本質から目を背けているようにも思えるが、一般的な米国人の転居率の高さは可動性の良さとも受けとれる(続きは・・・大好きな引っ越しができなくなった米国人)。

現実味を帯びてきた米カリフォルニア州3分割

カリフォルニア州がまた揺れている。

「また」と書いたのは昨年、同州が1つの国として独立する気運が高まり、今年になってからは同州を3分割する動きが出ているからである。

昨年の独立運動のきっかけは、ドナルド・トランプ政権の誕生だった。

リベラル派の市民が多い同州では、トランプ氏の保護主義的な貿易政策から環境政策、移民政策に至るまで、反対意見が目立っていた。

納得しがたい連邦政府に税金を納めるくらいならば、独立してリベラルな国家を樹立させようとの思いが独立運動につながったが、簡単には成就しない。だが今でも運動は継続されている。(続きは・・・現実味を帯びてきた米カリフォルニア州3分割

実は日本人よりよく働く米国人、その理由とは

今国会で成立予定の働き方改革関連法案に関心が集まっている。その中でも目玉と言えるのが「高度プロフェッショナル制度(以下高プロ)」である。

与党は今国会でなんとしても成立させたい意向だが、野党は「過労死促進法案」であるとして反対している。

筆者は高プロという制度には賛成だが、日本社会には馴染まないと考えている。理由を記す前に、米国で生まれた高プロについて触れたい。

高プロは米国では長い歴史があり、米国内でいま大きな社会問題になっているわけではない(続きは・・・実は日本人よりよく働く米国人、その理由とは)。

巨額の赤字を続ける米郵政公社が民営化できないわけ

エッ、まだ民営化されていない――。

そんな声が聞こえてきそうなのが、米郵政公社(USPS:以下「米郵便局」)である。

米国だからこそ、民間でできることは民営化するという動きがあるかに思えるが、米郵便局だけは今でも連邦政府によって運営されている。

しかも赤字が膨らんでいる。過去10年の累積損失は650億ドル(約7兆円)である。過去、債務不履行に陥ったこともある組織だが、いまだに民営化の道筋を辿れていない。

日本が郵政民営化を行って日本郵政グループを発足させたのは2007年のことである。諸外国をみても、1995年のドイツをはじめ、オランダ、ベルギー、オーストリア、英国なども郵便事業を民営化させてきた。

なぜ米国だけ民営化できないのか(続きは・・・巨額の赤字を続ける米郵政公社が民営化できないわけ)。

usps

人種差別企業とネットで拡散したスターバックスの後悔

「スターバックスは単にコーヒーを飲む場所ではないのです。出会いの場所でもあるのです」

スターバックス(以下スタバ)の創業者ハワード・シュルツ氏は21年前、シアトル本社で筆者にそう語った。

創業当初から「出会いの場」を提供することがスタバの狙いであり、企業としての使命と捉えていた。だが4月12日、米東部フィラデルフィアにある店舗で、コーヒーを買わずに知人を待っていた黒人客2人が逮捕された。

スタバが「出会いの場」であるのであれば、友人との待ち合わせに使っても問題ないはずである(続きは・・・人種差別企業とネットで拡散したスターバックスの後悔)。

starbucks4.27.18