堀田佳男 Profile
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メタ情報
カテゴリー: Thought for the day,国際事情 ― 2017年4月19日
トランプのカラの威嚇

トランプもメディアも煽りすぎ-。

そう言わざるを得ない。トランプは過去1週間ほど、いまにも北朝鮮と戦争をするかのような構えだった。米原子力空母カール・ビンソンを北朝鮮近海に派遣し、軍事行動も辞さないといった勢いを感じさせた。

ところが同空母はオーストラリア北西で演習していたことがわかり、急派されていなかった。トランプと、彼の言うことを確認せずに伝えたメディアに乗せられてしまった。

確かに、オバマ政権の「黙って耐えます。何もしません」的な外交政策から離れ、シリアへの空爆で見せたような「やる時は軍事行動にでます」的な政策に変わりはした。

それによって、北朝鮮への軍事攻撃も間近かといった空気が漂った。

だが実際は空母1隻(打撃群1個)で北朝鮮に先制攻撃をしかけることは戦術的にありえないし、北朝鮮の防空網を先制で壊滅させることは容易ではない。

さらに北朝鮮からの韓国への報復が甚大すぎてアメリカは手をだせない。いまのところは足踏みをせざるを得ないのが実情だ。3日前に書いたブログの通りである(北朝鮮情勢とキューバ危機)。

過去20年以上、アメリカの政権が北朝鮮を攻撃しなかったのも、そうした理由からだ。だが多くのメディアはメディアが書いたことにやられてしまった。

副大統領ペンスが19日、横須賀に停泊中の空母ロナルド・レーガンの艦上で20分ほどの演説をしたが、喫緊の有事というニュアンスの表現はつかわなかった。

「すべての選択肢は机上にある」とは言ったが、ロナルド・レーガンは現在整備中で、すぐに出撃がないことは船員がよく知っている。皆、どこか柔和な表情なのだ。

現在カリフォルニアにいる空母ニミッツも北朝鮮に向かう動きはなく、北朝鮮への先制攻撃という話はトランプの「カラの威嚇」ということになる。(敬称略)

110821-N-AZ907-015 APRA HARBOR, Guam (Aug. 21, 2011) The aircraft carrier USS Ronald Reagan (CVN 76) enters Apra Harbor for a scheduled port visit. (U.S. Navy photo by Mass Communication Specialist 1st Class (SW) Peter Lewis/Released)
Photo by Pinterest   Aircraft carrier  Ronald Reagan
カテゴリー: Thought for the day,国際事情 ― 2016年8月21日
ブルブルブルの正体

アメリカから日本にもどってそろそろ10年が経とうとしている。いまでも私が書く記事の8割以上が海外モノで、多くがアメリカがらみである。

いつも世界のニュースに目を這わせている。突発的なニュースが起きた時は、アメリカの報道機関2社から私のスマホに「号外メール」が入るようにしてある。ブルブルブルと1回だけ震える。

リオ五輪が開催されてから、ブルブルブルの回数が増えている。というのも、アメリカ選手が金メダルを獲ったり、世界記録が生まれた時に震えるからである。

ここまで(21日午前10時半)、アメリカは41個の金メダルを手にしているので41回、そして世界新記録が生まれた時の数回、ブルブルブルがきた。

「わかったから、もう止めて」というのが正直な感想である。

報道は近年、純粋な客観報道などありえないという風潮がつよい。偏っていて当たり前との考え方だ。アメリカのテレビでいえばフォックスは保守で、MSNBCはリベラル。政治的スタンスがわかっているから、視聴者も自分好みの局を選ぶ。

ただスポーツ報道については、どの国の報道機関も自国選手を応援する。当たり前と言えば当たり前で、自国選手を無視して他国選手にエールを送ったりしたら苦情の声が絶えないだろう。

この点で、スポーツだけでなく、対外的なことがからむと自国を擁護する報道姿勢がどの国でも鮮明である。だから最初からバイアスがかかっていない客観報道というものは極めて少ない。

リオ五輪もいよいよ閉幕。これでブルブルブルも少なくなる。

カテゴリー: Thought for the day,国際事情 ― 2016年8月8日
人間の可能性というもの

リオ五輪を観ていて、ふと思いあたった。以前、当欄で「オリンピックと限界 」というタイトルのブログを書いた。4年前のロンドン五輪の時である。

「人間が人間である以上、各種目で記録の限界に到達する時がいずれはきてしまう」という内容を述べた。だが、限界をつくるのは人間であり、限界という枠はもしかしたら自己規定によって生み出されるのかもしれないとの思いにかられた。

「いずれは」との考え方は常識的にはしごく当たり前のことだが、記録というものに限界を設定すること自体、世界の第一線で活躍する選手たちに失礼なことかもしれない。

リオ五輪の競泳を見る限り、限界といった言葉は無縁のようでさえあるからだ。

ハンガリーのカティンカ・ホッスーは女子400メートル個人メドレーで世界新を2秒以上も縮めたし、同じく女子競泳400メートル自由形では、アメリカのケイティ・レデッキ―がやはり2秒以上も世界新を短縮している。

たとえば、10年前に400メートルを競ったことのあるスイマーであれば、この記録がほとんど想像できないものであるかと思う。

日本人選手による世界新はなかなか出ないが、人間の可能性というものは計り知れないということを改めて感じるのだ。

これは単に理想論ということではない。いつも前を向いて肯定的に生きる、といった自己啓発的な発想からでもない。

人間には「無極の可能性」というものがあるように思えてならない。

カテゴリー: 国際事情 ― 2016年6月25日
イギリスのEU離脱の意味

universityofleeds

イギリスのEU離脱の意味をどう捉えたらいいのだろうか。

ヒトコトで言うならば「政治と経済のせめぎ合いで政治が勝った」ということだろうと思う。

どういうことかというと、過去20年以上、世界は経済分野では共通のルールや価値観を共有する動きを加速させてきたが、政治分野では国家の自治権や独立する意識の高まりによってむしろ分裂する動きが強く、今回は政治に軍配があがったということである。

世界史を紐解いても、国家は分裂・独立していく方向のベクトルに力をもたせてきた。政治判断というより、民族自決的な意味合いと、精神的な自立によって国家数は増え続けている。ドイツの統合は例外である。旧ソ連の瓦解による地域国家の誕生やインドネシアから独立した東ティモールのように、今後は増え続けて国家数は200を優に超えてくるだろう。

だが、経済は国家間の枠を越えて、統合・融合の流れが加速している。EUはまさにそうだった。大きな経済圏をつくることで経済活動がより活発化され、物流や消費が増えて経済成長を促進してきた。

20年ほど前にNAFTAと言われる北米自由貿易協定が結ばれたのも同じ理由だ。カナダ、米国、メキシコの3国が貿易面では基本的に関税をなくして物品の行き来を自由にした。TPPも同様で、それによって経済的な利点が生み出される。もちろん弊害もある。

経済という枠組みでは、世界は1つになろうとしてきた。それとは逆に、政治という人の営みにおいて、世界は個別化する流れに乗っているのだ。

政治・経済という2分野は、ベクトルの向きでは逆であることが多い。どこかに歪みが生じやすい。

そうした観点では、イギリスのEU離脱は自立性の勝利である。経済的にはマイナス点が多いが、それが国民の選択だった。将来、TPPが発効した後に日本が抜ける場合、選択肢は国民にあることを教えてもいる。

カテゴリー: 国際事情 ― 2016年4月24日
マンハッタンでの整列

NYcity4.21.16

ニューヨーク市マンハッタン56丁目の5番街と6番街に勢ぞろいしたレンタル自転車。

2013年にスタートした自転車のシェアサービスで、当初は6000台からスタート。来年には1万2000台に増える予定で、駐輪場も700カ所。車体にある「シティ・バイク」のシティというのは金融機関「シティグループ」のことで、4100万ドル(約45億円)を市に寄付して始まった。

ニューヨーカーからの評判はまちまちで、年間メンバーシップ料金の150ドルが「高い」という人もいれば、「観光者は使いづらいと思う」という声もある。

それでもニューヨークの街に溶け込みだしていることは間違いない。