蘇った米企業CEOの法外な報酬

アメリカ企業は何も変わらずー。

先日、アメリカのトップ500企業CEOの2010年度の報酬額が発表された。08年9月のリーマンショック後、不況に突入してから大手企業CEOの報酬は下降していたが、再び上昇気流に乗りはじめている。平均額はなんと900万ドル(約7億2000万円)で、09年比で24%も増えた。

不況の一因が金融業界の歪みであったことは疑いようがない。25年間住んだアメリカから帰国した後も、何度もアメリカ金融機関の周辺を取材し、なぜ大手企業のCEOは法外な報酬を手にし続けるのかを問うた。

不況前、多くの金融機関は膨大な損失を計上し、不良債権を抱えて倒産の瀬戸際に立たされていた。政府から税金を注入してもらわない限り自立再生が困難な企業はリーマンだけではなかった。政府からのカネが入り、彼らは自身で企業体質の歪みをただすかに思われたが、グリーディーな(がめつい)所業はバブルが弾けた後も
変わらなかった。

そして今またCEOの報酬は史上最高額へと駆け上がった。報酬額トップはメディア大手バイアコムのフィリップ・ドーマン氏で、8450万ドル(約67億6000万ドル)、、、、(続きは堀田佳男公式メールマガジン『これだけは知っておきたいアメリカのビジネス事情』)。

高失業率のアメリカ、でもプログラマー不足

今月17日、シカゴからマイアミに向かう飛行機の中で、ソフトウェア企業の部長と隣り合わせになった。

薄いイエローのポロシャツにブルージーンズといった出で立ちの部長は、どう見ても30代半ばにしか見えない。アメリカ経済に話がおよぶと、ハイテク業界の現状を語ってくれた。

「アメリカの失業率は依然として8.8%で高止まりしていますが、ハイテク業界では人材が足りないんです。特にコンピューターソフトのプログラマーはまったく足りていません。新しい才能がほしい。日本人も、もちろん大歓迎です」

砂漠で水を求めてさまよう旅人のような切迫感があった。背景を聞くと、ハイテク業界、特にネットの世界の今が見えてきた、、、、(続きは堀田佳男公式メールマガジン『これだけは知っておきたいアメリカのビジネス事情』)。

変わってきたコーポレート・ガバナンス

アメリカでコーポレート・ガバナンスという言葉が使われ始めたのは1960年代のことである。

「企業統治」と訳されるが、直訳では意味が曖昧なままだ。誰が企業を統治、つまり取り仕切るのかが焦点になるが、意図する内容が日米では違う。

日本ではいまでも多くの企業が社長や会長に経営判断を任せ、従業員は経営の主体者ではあるが、経営トップに付き従う立場でいる。一方、アメリカでは「企業は株主のもの」という考え方が通念になっている。従業員は入れ替わるモノという意識が強いので、日本ほど重視されない。

コーポレート・ガバナンスという言葉は60年代、ゼネラル・モーターズ(GM)が起こした一連の問題から派生している。GMによる設計ミスや公害問題が浮上したことで、政府は企業の非倫理的行為に目を光らせるべきとの考え方が流布した。

その後、GMだけでなく企業ぐるみの贈賄罪や不正事件が多発したことで、企業トップにすべてを任せておくわけにはいかないとの意識が広がった。その結果、役員の中に社外取締役・監査役を置いて情報開示や監査機能を強めるようになる。

ただその流れも時代と共に変化している。25年前のアメリカの企業統治と現在とでは様子が違う。何がどう変わったのか、、、、(続きは堀田佳男公式メールマガジン『これだけは知っておきたいアメリカのビジネス事情』)。

商品陳列のプロ中のプロ

プラノグラム(Planogram)―。

この言葉をご存じの方は小売業界に精通しているに違いない。

スーパーやコンビニで、商品を棚に並べる時に使われるテクニックである。「陳列棚の陳列計画」とも言われている。

メーカーから中小の小売業者にいたるまで、商品の並べ方で売上が変わり、総利益率に差がでることは熟知しているはずだ。プラノグラムと呼ばれる縦割りシステムは、利益を最大限にするための陳列組み合わせで、Plan(計画) とDiagram(図形)を合体させた造語である。アメリカ産のコンセプトだ。

一般消費者はスーパーでの陳列組み合わせは、スーパーの店長やマネジャーが決めると考えている。だがアメリカでは、大手になればなるほどセールスマーケティング企業がプロノグラムを統括する現実がある。商品の陳列の枠組みは、スーパーの現場ではなく外部企業が管理しているのだ、、、、(続きは堀田佳男公式メールマガジン『これだけは知っておきたいアメリカのビジネス事情』)。

アメリカ製造業が中国に勝つ理由

コージー・クーペ、売上台数世界一。

知る人ぞ知る車コージー・クーペは過去10年、ホンダ・アコードやフォード・トーラスの売上台数を抜き、世界一を維持している。10年で600万台超。ニューヨーク・タイムズも「10年間、世界一の売上台数を誇っている」と記した。ただ、多くのカーマニアでさえコージー・クーペを「知らない」という。

無理もない。同車は子供用の乗り物だからだ。ただミニチュアカーではない。重さ10キロ。高さ82センチ、幅76センチの”立派な”車である。

黄色の屋根と赤色のボディーが目を惹く。アメリカだけでなく日本でも人気を博している大型玩具で、常時ネット上でも小売店でも品切れ状態が続いている。

主な材質はポリエチレン。製造元は玩具のメッカである中国かと思いきや「メイド・イン・USA」だ。オハイオ州ハドソン市に本社を置くリトルタイクス社は1969年の創業以来、ひたすら国内での玩具製造にこだわり続けている。コージー・クーペも国内だけで製造し続けて大ヒットを飛ばしている、、、、(続きは堀田佳男公式メールマガジン『これだけは知っておきたいアメリカのビジネス事情』)。