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AERA, 2003年7月14日号

ブッシュ「猛烈」資金集め

 ジョージア州グリーンズボロ。アトランタから東に約100キロの人口約3200人の小さな村だ。ブッシュ大統領は6月20日、この村に飛んで選挙資金集めの集会を開いた。

  17日から2週間、グリーンズボロを含めた全米7ヵ所でカネ集めに奔走したブッシュ氏は、2200万ドルもの選挙資金を調達した。2週間という期間に限ると史上最高額である。

  グリーンズボロ以外の集会場所を見ると、ニューヨークやロサンゼルス、ワシントンなど大都市ばかりである。大統領はなぜ田舎の村にわざわざ足を運んだのか。

多額の資金に見返り

 ブッシュ氏の資金集めのからくりを象徴する人物がいる。今年3月までスイス大使だったマーサー・レイノルズ氏。グリーンズボロには彼のゴルフ場があり、そこで選挙資金集会を開いたのだ。

 氏は2000年大統領選挙で、「大統領就任式委員会」の委員長を務めた人物で、妻と合わせて35万ドルを共和党に献金した大口支援者である。それ以前にも、ブッシュ家とはテキサス州の石油会社「スペクトラム7」の共同経営者として名を連ねた。さらにブッシュ大統領とは、大リーグ球団テキサス・レンャーズの共同オーナーを務めたこともある。

  前回選挙で多額の選挙資金をつぎ込んだ見返りに、当選後、レイノルズ氏にはスイス大使という地位が待っていた。大使辞任後、すぐにブッシュ再選事務所の財務会長に就き、最初の「仕事」が先月、2週間かけたカネ集めだった。

 民主党候補寄せ付けず

 共和党と言えば、「財界と密接に結びつき、特定産業から多額の選挙資金を受けている」と思われがちだが、今回の選挙はその型から少し外れている。

 昨年、選挙資金規正法が改正され、ソフトマネー(無制限の政党献金)が禁止されたのだ。同時に、個人献金の上限が1000ドルから2000ドルへと増したことで、大統領選挙のカネ集めのスタイルが変わった。アメリカン大学選挙管理研究所のキャンディス・ネルソン教授が説明する。

「一個人が200万ドルの政党献金をするという政治風土はなくなり、献金は広く浅くなった。それでもブッシュ大統領の強い支持母体は、従来からの石油産業や軍需産業、製造業である。さらに伝統的な共和党保守派もバックについている」

 1人2000ドルの「パーティー券」を買うと、以前であればホテルの大広間でディナーが出された。が、レイノルズ氏はパーティーではホットドッグとハンバーガー、それにチーズつきのチップスで利益率を上げる策に出た。それでも大統領と一緒に写真に納まれる機会があり、集会はどこでも盛況を極めた。

 選挙問題を専門に扱うシンクタンク「レスポンシブ政治センター」のラリー・ノーブル所長はカネと政治の相関関係は以前と大差ないと語る。

「ブッシュ大統領はレンジャー(森林警備隊)と名づけた選挙資金のまとめ役を何十人も指名して、彼らに20万ドル(2000ドルの献金者100人)ずつ集めさせた。レンジャーたちは見返りとして共和党幹部やホワイトハウス高官に会って、自分たちの利害を告げる機会を得られる」

 レンジャーの取りまとめ役であるレイノルズ氏は、グリーンズボロで220万ドルを集金した。ブッシュ氏が再選された場合、今度は入閣する可能性もある。 

  ブッシュ大統領は来夏の共和党全国大会までに2億ドルを集金する予定で、民主党の9候補はカネ
集めに関してはまったく太刀打ち出来ない。

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