ロシア疑惑(16):消えたトランプ弾劾

米連邦下院議長のナンシー・ペロシは11日、「ワシントンポスト・マガジン」とのインタビューで、トランプを弾劾することはしないと発言した。

pelosi3.12.19

Photo from Twitter

「弾劾を支持しません。これまで私はメディアに対し、弾劾についての意思表示をしてこなかったので、『弾劾を支持せず』というのはニュースですよね。弾劾は国家を分断します。やむにやまれぬ事情があり、圧倒的なまでに超党派で弾劾を推し進められない限り、すべきではないと考えます」

マラー特別検察官がいまロシア疑惑の報告書を作成しており、近々に司法長官に提出されるはずである。そのタイミングを見計らうようにして、ペロシはトランプの弾劾を否定してみせた。

下院で過半数を握る民主党のトップであるペロシが弾劾を否定したことで、「トランプ弾劾」は事実上なくなった。

特別検察官が作成する報告書というのは、本来下院の司法委員会に提出されるものだった。同委員会が大統領の弾劾手続きを進めるための資料であり証拠だったのだ。ところが今回、報告書は司法長官に渡される。

トランプがロシア疑惑で違法行為をしていたとしても、お咎めなしということになる可能性が高まった。(敬称略)

看板犬レオ

大学はいま春休みだ。昨年から母校のオープンカレッジで講義を受けもっている。今日は来年度のための模擬講義があったので話をしてきた。

waseda3.8.19

キャンパスの南門を出てすぐのところに100年以上も続く「高田牧舎」というお店がある。私が学生時代はオムライスなどをだす洋食屋だったが、いまは石窯ピザやパスタを出す店になっている。

そこに看板犬レオ(2歳)がいる。講義の前にランチを食べたときは犬小屋で寝ていたが、講義が終わって帰るときにまた寄ると、愛くるしい顔で見つめられた。

leo3.8.19

首回りをなでてやると嬉しそうに尻尾を振る。しばらく撫でてからカメラを向けると笑った、、ように見えた。

レオがいると思うとまた行ってしまうことになるが、それはしっかり看板犬の仕事をしているということでもある。

ゴーンは本当に罪を犯したのか(2)

カルロス・ゴーンの保釈が決まった。1月9日に日本外国特派員協会で前弁護士の大鶴基成が「初公判まで勾留されるだろう」と述べた予想は外れた(ゴーンは本当に罪を犯したのか)。

それだけ新しく弁護を引き受けた弘中惇一郎の裁判所への攻めが際立ったということだろう。検察側としてはメンツを潰されたことになり、公判では慎重かつ大胆に議論を展開して有罪に持ち込もうとするはずだ。

保釈がこれだけ大きなニュースになるのは、誰も保釈を予想していなかったからである。特派員協会にいるヨーロッパ人の記者たちも本国に記事を送るのに大忙しで、まるで無罪を勝ち取ったかのような勢いを感じる。

だがゴーンは依然として起訴されたままで、状況が大きくかわるわけではない。今後数日はゴーンの保釈後の生活にメディアの関心がむくだろうが、注視すべきは公判での検察側と弁護側の議論で、私はいまでも有罪になる可能性が極めて高いとみている。(敬称略)

ネット通販に要注意、問題があっても訴えられない!

米国でいま、消費者が企業を訴えられない状況が生まれている。

だがいま、企業を訴えることが難しくなりつつあるというのだ。いったいどういうことなのか。

2月下旬、カリフォルニア州立大学デービス校ロースクールが監修する法律専門誌に1本の論文が掲載された。タイトルは『米企業による消費者仲裁合意の蔓延』というものだ。

端的に述べると、米企業が顧客に訴訟を起こさせないような法的防止策を講じ始めたという内容である(続きは・・・ネット通販に要注意、問題があっても訴えられない!)。