中学校再訪

私は東京の中野区江古田というところで生まれ育った。小中高とずっと公立で、中学校は自宅から歩いて7分の中野区立第11中学校というところだった。

2008年に統廃合されて今は緑野中学校という名前に変わったが、いまも同じ場所にある。その母校から講演に呼ばれたので今朝、話をしてきた。1年に1度、「職業講話」という講演会をやっており、私と同学年で元PTA会長のH君の紹介で講演が実現した。

母校に呼ばれるというのは大変ありがたいことで、卒業以来40数年ぶりに訪れた。当時は木造2階建ての校舎だったが、いまは鉄筋3階建てになっていてエレベーターもついている。校長先生が講演の前にを校内を案内してくれた。

土曜日でも授業をしており、訊くと月に1度だけ土曜登校があるという。上ばきが懐かしい。オフホワイトの地に赤い線の入った靴だ。

私はジャーナリストになった経緯と仕事の内容を話した。「自分の適正を見据えて得意な分野を伸ばしてください。情熱と同時に冷静な自己分析もわすれずに」と、偉そうなことを言ったが、終わってから女子生徒が感謝の言葉を述べてくれた。

大人よりも分別をわきまえていると思えるほど冷静で思いやりのある言葉だったので、自然と頭が下がった。中学1年生に頭を下げたのは初めてだったが、それくらいいい時間が持てたということだったのかもしれない。

彼らの表情を見ていると、日本の将来は明るいと思えるほどだった。