両手握手のあたたかさ

昨日、テレビ朝日ワイドスクランブルに出演したとき、私はいつもと少し違う動きをした。

いつもであれば、出番が終わるとすぐに席を立ってスタジオを後にするのだが、昨日は担当のコーナーが終わってから、レギュラー・コメンテーターの杉村太蔵、弁護士の萩谷麻衣子、元NHK解説員の柳澤秀夫とスタジオ内で座ったまま少し話をした。

そこで司会を務めるテレ朝アナウンサー大下容子の番組の回し方がうまいという話になった。大下も話を聴いており、本人は「イヤイヤイヤ」と首を振る。いつも謙虚な彼女はけっしてでしゃばらず、それでいて司会としての仕事をキチッとこなせる能力を持った人だ。

過去3年ほど、私にとってはもっとも出演回数の多いテレビ番組だけに、大下を応援したい気持ちは強い。特に昨年9月で橋本大二郎が司会を降りてからは大下が主役である。

昨日、私は話が終わると大下の方に数歩近づいて、右手を差しだした。

「頑張ってください」

彼女は本能的と思えるほど自然に、両手で私の右手を包み込んだ。握るか握らないかくらいの力である。だが優しさのこもった握手だった。

スッと嬉しさがこみ上げてきた。

スタジオを出たあと、男から女性に右手を差しだすことは非礼であるとの通念は、今日は不問にしてもらえるなという勝手な思いがあった。それほど彼女の両手握手は自然で、暖かさがあった。

大下の好感度がまたあがった。(敬称略)

Oshita5.11.17

(2017年5月撮影)