トルコショックの最悪のシナリオ

金足農業の強さに世間の関心が集まっているが、トルコショックによる余波に注意しておかなくてはいけない。これから最悪のシナリオを迎えるかもしれない。

10日ほど前、トルコリラは対ドルで20%ほど急落し、その後は落ち着いていたが、リラの価値はその後も下落しており底が見えていない。円に対しても同じで、5年前1リラは50円前後だったが、20日夜には17円代にまで下落している。

いまさらトルコショックの発端は説明しないが、日本人投資家の中にはトルコリラをもたれている方も大勢いるので失った額は大きい。だが問題は今後、トルコの銀行が破綻してしまう可能性があることだ。

ヨーロッパの金融機関は多額の資金を融資しており、トルコの銀行が潰れればヨーロッパ経済も大きな打撃を受ける。そうなるとユーロの下落にもつながる。

2009年のギリシャ危機を思い出す。ギリシャは20日、ギリシャ危機から9年経ってようやくEUからの経済支援を脱したと発表したばかりだった。一難去ってまた一難である。

これ以上悪化しないとの見方もあるが、最悪のシナリオにも備えておかなくてはいけない。