ロシア疑惑(10)

当ブログでシリーズで書いてきた「ロシア疑惑」。前回書いたのが5月17日で、特別検察官ロバート・ムラーが「トランプを起訴しない」と判断した直後だった。

7月14日(日本時間)になって、司法副長官ロッド・ローゼンスタインがロシア軍の情報当局者12人を起訴したと発表した。トランプの起訴はなくなったが、ロシア政府が2016年の米大統領選に関与していたことを改めて示すことになった。

まだロシア疑惑は終わっていないのだ。

思い出していただきたいが、米司法省は今年2月16日にロシア人13人と3企業を起訴している(ロシア疑惑3)。その時起訴されたのは民間人で、当時プーチンは「ロシア政府は関与していない」と言ったが、今回の逮捕でプーチンの主張は崩れたことになる。

訪欧中のトランプは16日にプーチンと会談する予定で、司法省がトランプに「プーチンを問いただせ」と迫ったことになる。あらためてアメリカの司法省はいい仕事をしていると感心させられる。

ローゼンスタインはいわばトランプ側の人間だが、ムラーを指名してロシア疑惑を捜査させてトランプの関与を洗った。もちろんトランプがロシア政府と絡んで大統領選に関与していたら、トンラプ起訴という流れもあったはずだ。

しかし日本の司法機関が首相安倍にここまで迫れるのか。大きな疑問である。(敬称略)