これから不定期でロシア疑惑について記していきます。初回は時系列で、ロシア疑惑に関するできごとを並べます。
2017年5月9日:
ロバート・コミーFBI長官(当時)がトランプに解任される。トランプはFBIがロシア疑惑を精査していたので、捜査の手が自分におよぶのを恐れたためとの見方がある。
5月17日:
ロッド・ローゼンスタイン司法副長官がコミーの代わりに、ロバート・ムラー元FBI長官を特別検察官に任命。
7月27日:
トランプ陣営の外交政策アドバイザーだった(1)ジョージ・パパドポロスが逮捕される。ロシア疑惑で最初に起訴された人物。後日、罪をみとめてムラーの検察チームと司法取引に応じた。
10月30日:
トランプ選挙対策本部の(2)ポール・マナフォート本部長と(3)リチャード・ゲーツ副本部長が起訴される。罪状はロシア政府と選対との関与ではなく、ウクライナ政府からの違法な資金提供や報告の不履行などで、いわゆる別件逮捕だ。
12月1日:
トランプ政権の国家安全保障担当補佐官だった(4)マイケル・フリンが起訴される。フリンもすぐに罪を認めて検察チームとの司法取引に応じた。
2018年2月16日:
(5)ロシア人13人と3企業が16年大統領選で違法行為をしたとして起訴される。その中にはエフゴニー・プリゴジンというプーチンに近い人物が含まれている。だが司法省は、起訴された人物と企業はトランプ陣営やアメリカ人と共謀していた証拠はないとしている。
最近まで、ムラーチームと司法取引に応じていたのはパパドポロスとフリンだけだったが、2月23日にゲーツも罪を認めて司法取引に応じることになった。
今後、起訴される関係者は増える見込みだ。注目しているのはジャレッド・クシュナーとトランプ・ジュニア(長男)。
ムラーが目指しているのはロシア政府とトランプ陣営との共謀の証明で、可能性は十分にある。ただ客観的にみると、現時点でシロかクロかを判断することは微妙で、結論はもう少し先になるはずだ。(敬称略)
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