護憲という超保守

ふたたび憲法改正が話題になっている。

保守派の自民党が憲法改正に前向きで、リベラル派である民進党をはじめとする野党が改正に反対という立場であるが、よく考えるとおかしなことである。

これまでリベラル派といわれる民進党や共産党を革新と称してきた。過去のモノを変えて、新しい社会に対応していくという前向きな考え方だ。一方の自民党は保守派として、古き良きモノを守るという姿勢である。

社会政策についてはまさに上記の通りで、夫婦別姓や女性宮家創設の問題では民進党が賛成派で、自民党は反対派だ。

私はリベラル派なので夫婦別姓も女性宮家も何の問題もない。むしろ当然だと考えている。だが憲法改正や防衛問題になると、自民党と民進党の立場は逆転する。

本来、保守派として憲法9条を「守って保つ」べき自民党が革新に転じている。逆に革新派として変えてしかるべき立場の民進党や共産党が超保守にまわっている。

くどいようだが、私はリベラル派なので、憲法改正を支持している。変えてしかるべきとの考え方を80年代から抱いている(集団的自衛権のあり方 )。そのため、当件での野党の超保守的姿勢には辟易させられる。

近代国家として集団的自衛権と憲法改正は30年以上前に実現しなくてはいけない重要案件であると思っており、いまの自民党でも「動きが遅い」とヤキモキしている。

戦争をしかけないという日本の姿勢は残し、自衛隊を軍隊として認めるべきである。

いまだに第二次世界大戦の教訓が多くの人の心に宿ることは承知している。それと同時に、安全保障問題で日本はいまだに「吉田ドクトリン」から抜け出ていない。

新しい国家戦略が構築できていないため、自衛隊を軍隊と認めることに抵抗があるのだ。

私は安倍の経済政策と社会政策には賛同しかねるし、安全保障政策ではむしろ中途半端と捉えている。

革新すぎるのかー。(敬称略)