「ヒラリーが負けたら坊主になります」とテレビ番組で発言したので、髪の毛を切った。あれから2週間。
会う人はみな髪の毛についてヒトコト、フタコト発言してくれる。私の眼の前で「似合わない」と言う人はいない。
心の中ではそう思っていても、「若くなった」「結構いいですよ」と褒め言葉を探してくれる。
特に女性は5ミリの頭に抵抗がある人がかなりいて、「見たくない」との思いを抱いている人が少なくない。似合うか似合わないかという前に、罰ゲームのようにして髪の毛を切ることに合理性を見いだせないのかもしれない。
しかも「負けたから坊主になる」という発想は21世紀のものではない。戦前、戦中の発想である。嫌悪感さえ抱かせるのだ。
ただ私はヒラリーが負けたあと、髪の毛を切らずにいるというオプションはなかったと思う。言った以上、切るつもりでいた。
しかも切ったことで、実に多くのひとがコメントをくれたり関心をよせてくれた。
個人のマーケティングという点ではプラスしかない。ましてやメディアで情報を発信する仕事をしている以上、これくらいインパクトのあることは定期的にやる方がいいかもしれないとも思っている。
あるテレビ番組で一緒になった評論家、宮崎哲弥は「堀田さん、テレビ的にはすごくいいですよ。プラスです」と言った。
別の番組で共演したデーブ・スペクターは「エッ、BSの番組でやったの。BSでやっちゃダメ。地上波でやらないと。ギリギリでMX。僕に聞いてくれないきゃ」と、業界に通じた人らしいコメントをくれた。
私はといえば「いまは楽しんでいる」というのが正直な心持ちだ。しかし今後、「坊主にします」という約束は2度としないと思う。(敬称略)