すでにバブル化したトランプ景気、いつ暴落?

予想外のことなのか――。

ドナルド・トランプ次期大統領(以下トランプ)が誕生してから、金融市場は好況に沸いている。円相場は対ドルで113円まで円安が進み、米株式市場もダウ平均、ナスダック総合指数ともに過去最高値をつけた。

トランプが勝てばトランプショックが世界を覆い、不況に陥ると予想していた専門家の見立ては見事に外れた。ほとんどの人はトランプ勝利も予想できず、2度にわたって読みが外れたことになる。

そういう筆者も「ヒラリー勝利」を今春から予想し、外した1人である(すでにバブル化したトランプ景気、いつ暴落? ドッド)。

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Photo courtesy of TheRealDeal.com

トランプ氏が迫られる“資産1兆円”処分

今年2月から「日刊ゲンダイ」紙上でアメリカ大統領選について連載をしていました。選挙後からは「トランプ大統領誕生」というタイトルで連載を継続しています(不定期)。以下が最新記事です。

【連載コラム】 世界が激震 トランプ大統領誕生

ドナルド・トランプの1兆円超(自己申告)といわれる総資産は、大統領に就任後いったいどうなるのか。

というのも米大統領は任期中、公務に専念しなければならず、民間の企業・事業に携わることは許されない。大統領という立場を利用して利益を上げると、倫理上の問題が発生するのだ。

だがトランプはホワイトハウスに入った後も、大統領特権を利用して事業の継続を目指している。22日にニューヨーク・タイムズ紙本社を訪れた時、「法律は私に味方してくれるはず」と楽観的な発言をした。だが現実はそれほど甘くない。大統領が関与する事業となると、世界中から利益供与や贈収賄の誘惑が生まれやすい。

ブッシュ元大統領の倫理担当弁護士だったリチャード・ペインター氏は「資産をすべて売却することが望ましい。少なくともトランプと名のつく不動産を処分するか、トランプという名前を外すべきだ」と指摘する。ウォールストリート・ジャーナル紙も17日の社説欄で「最良の選択肢はすべて売却すること」と書いた。

だがトランプは「すべてを清算することは多難だ」と述べる。CNNによると、トランプは現在、世界中で約500の事業(企業を含む)を同時進行させており、約3万4000人を雇用している。来年1月20日の就任式までに全事業を清算することは実質上無理がある。

その他の方法としては、資産管理者に事業を委託することだ。英語で「ブラインド・トラスト」という。トランプは昨年6月の出馬表明時、大統領に当選した時は3人の子どもに資産・事業を委託する予定でいた。だが3人とも、いまはホワイトハウスに入って大統領のアドバイザーになる可能性がある。子どもが連邦政府職員になると、やはり民間事業には携われない。

前出のペインター氏は、「大統領が世界中の事業にかかわって利益を上げることはできない。売却は苦痛だろうが、それが大統領になるための条件」と清算がベストであると語る。

トランプが資産の売却を渋ってグズグズしていると、倫理問題が浮上して、大統領の立場が危うくなることも考えられる。リベラル系メディアは手ぐすね引いて待っているはずである。

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(ニューヨーク市マンハッタン5番街に建つトランプタワー。左側に隣接するビルはティファニー本店)

舞台裏

テレビ局に着くとまず、受け付けで担当のディレクターを呼んでもらう。ディレクターが玄関で待っていてくれることもある。

ディレクターが駆け足で玄関までやってきて、それから楽屋に通される。出演者が多いときは皆で大部屋を共有することもあるが、コメンテーターが私1人か数人の場合は個人の楽屋が用意されている。

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以前はテレビ番組で見るだけだったが、自身がそこを使うようになって、少しばかり心が浮かれている自分がいるのがわかる。いい気なものである。

畳の楽屋もあるし、机と椅子、ソファが置かれているところもある。ペットボトルのお茶や水、サンドイッチや弁当が用意されているが、普通はすぐにディレクターと台本を見ながら打ち合わせにはいる。

昨晩(24日)は局入り後、すぐにプロデューサーを含めて3人と打ち合わせをしたので、楽屋でゆっくりするという流れではない。

時間がない場合は打ち合わせ後、すぐに化粧、本番という流れで、楽屋で弁当を食べながらゆっくりテレビを観ている暇はない。

スタジオに入ると「堀田さん入りまああああす!」という声が飛んだ。

どの局も裏方さんが10数人もいて、もくもくと仕事をしている。「よろしくお願いします」と頭を下げていると、音声担当の方がピンマイクを付けてくれる。

自分が座る席につき、台本を広げて周囲を見渡す。スタジオによって天井の高さがちがう。低いスタジオもあれば、高い位置からいくつものライトが照らしているところもある。

「ハイ、1分前です!」

だいぶ慣れてきたとはいえ、本番直前はいまでも鼓動が速くなる。

笑顔をつくる。自然の笑顔ではない。でもムスッとしているよりはいい、そう、いいはずだ。

はじまり、はじまり・・・

坊主になって2週間

「ヒラリーが負けたら坊主になります」とテレビ番組で発言したので、髪の毛を切った。あれから2週間。

会う人はみな髪の毛についてヒトコト、フタコト発言してくれる。私の眼の前で「似合わない」と言う人はいない。

心の中ではそう思っていても、「若くなった」「結構いいですよ」と褒め言葉を探してくれる。

特に女性は5ミリの頭に抵抗がある人がかなりいて、「見たくない」との思いを抱いている人が少なくない。似合うか似合わないかという前に、罰ゲームのようにして髪の毛を切ることに合理性を見いだせないのかもしれない。

しかも「負けたから坊主になる」という発想は21世紀のものではない。戦前、戦中の発想である。嫌悪感さえ抱かせるのだ。

ただ私はヒラリーが負けたあと、髪の毛を切らずにいるというオプションはなかったと思う。言った以上、切るつもりでいた。

しかも切ったことで、実に多くのひとがコメントをくれたり関心をよせてくれた。

個人のマーケティングという点ではプラスしかない。ましてやメディアで情報を発信する仕事をしている以上、これくらいインパクトのあることは定期的にやる方がいいかもしれないとも思っている。

あるテレビ番組で一緒になった評論家、宮崎哲弥は「堀田さん、テレビ的にはすごくいいですよ。プラスです」と言った。

別の番組で共演したデーブ・スペクターは「エッ、BSの番組でやったの。BSでやっちゃダメ。地上波でやらないと。ギリギリでMX。僕に聞いてくれないきゃ」と、業界に通じた人らしいコメントをくれた。

私はといえば「いまは楽しんでいる」というのが正直な心持ちだ。しかし今後、「坊主にします」という約束は2度としないと思う。(敬称略)

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