今まで全勝の米大統領選予測、今回は異変か

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アメリカ大統領選の投開票日(11月8日)まで1カ月あまり。民主党ヒラリー・クリントンと共和党ドナルド・トランプのいったいどちらが勝つのか。

第1回テレビ討論会が終わり、両候補はいまレース最後の直線に入ったところだ。毎日のように発表される世論調査結果を眺めると、両候補の数字は拮抗している。ヒラリーが数ポイント差でトランプをリードしている調査結果もあれば、逆の結果もある。

勝者を予測することは危険であるが、アメリカでは当選予測モデルがいくつもあり、大統領の専門家が予測を公表している(今まで全勝の米大統領選予測、今回は異変が … )。

(ウェブ・マガジン「JBPress」に書いた原稿です。読者の方がどれだけ私の書いた記事に興味をしめしていただけるか、いつも気になります。自分では「イケてる」と思った記事が読者の方の反応は逆だったり、自分では「まあまあ」と思っている記事に1000以上のフェイスブックの「いいね」がついたり、読めないことが多いです)

大統領選:第1回討論会

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by Youtube

いよいよヒラリーとトランプの直接対決の日がきた。

ヒラリーは8月からトランプとの討論を想定した模擬ディベートを繰り返してきている。化粧、表情、身振り、言葉遣い、そしてトランプを追い詰める論法まで練っているはずだ。心理学者まで雇っている。

一方のトランプは直感に頼るという。リハーサルもヒラリーほど多くは行っていない。トランプらしい。

しかし過去3回の大統領選の討論会のビフォー・アフターを眺めると、支持率の推移や投票結果にあまり影響が出なくなってきている。というのも、9割以上の有権者はすでにどちらに一票を投じるかを決めているからだ。

私がアメリカ人であったとしても、討論会は2人のパフォーマンスを観る場に過ぎない。仮にトランプがヒラリーよりも討論の内容がよかったとしても、それでトランプに一票を入れるという流れにはならない。

だから率直に述べると、討論会がどういう展開になろうが、結果に大差がつくことはない。インターネットによる情報が氾濫している時代だけになおさらだ。明言すれば、結果はすでについている。

ただ明日はテレビ番組に出演して、ナマ討論を観ながら解説させていただけるので楽しみにしている。

Media Appearance

今後1週間の放送メディアへの出演予定:

 

・9月23日 10:30amから(出演は11時過ぎ)  テレビ朝日『ワイドスクランブル』

・9月27日 5:00amから(出演は7時過ぎ)  ベイFM(周波数78.0MHz)『Power Bay Morning』

・9月27日 9:30am-12:00pm (出演時間は2時間半)BSスカパー『ニュースザップ』(米大統領選候補討論会生中継)

 

これまでメディアへの出演予定は事前にお知らせしてきませんでした。

というのも、私の出演する番組の9割以上がニュース系の生番組なので出演前日に依頼されるか、当日に連絡があって「今晩、ご出演頂くことはできますか」ということが多いからです。今回の3本は事前に依頼がありました。

依然として季節労働者、汗を流しております・・・

ニューヨークのテロリスト

昨晩、フジテレビのインターネットTVで15分ほどニューヨークのテロ事件について話をした。

実行犯のアフマド・カーン・ラハミ容疑者(28)はすでに逮捕されたが、男の背後にイスラム国やアルカイダ系過激派組織などのテロ集団があるかは現段階では分からない。

素性を探ると、単独犯の可能性が高いようにも思える。ただ過去5年間で、生まれ故郷のアフガニスタンとパキスタンに長期間滞在しており、その時にテロ集団と接触があった可能性はある。

男は7歳の時、家族と共にアフガニスタンからアメリカに亡命している。父親はニュージャージー州のエリザベス市というニューヨークからほど近い所でフライドチキンの店を経営し、男もそこで働いていた。

高校まではTシャツにジーンズという普通の服装だったらしいが、アフガニスタンとパキスタンの旅から戻ると立派なヒゲをたくわえ、シャルワール・カミーズという民族衣装を身につけるようになった。そして毎日礼拝するようになる。

小学校からアメリカで生活していれば英語はネイティブの域にあるだろうし、アメリカ文化にも馴染んでいたというより自分の皮膚の一部のようになっていたはずだ。

しかし宗教はイスラムである。自宅ではアフガニスタンの言語であるパシュトー語かダリー語を話していただろう。そうすると男は、近年、アメリカ国内で偏見の眼で見られがちな、ヒゲをはやしたイスラム教徒の男というカテゴリーの中に入ってしまう。

すでにアメリカに帰化したアメリカ人であっても、自身の思いと他人の思いにはズレが生じる。アメリカ社会への帰属意識はあっても、周囲が自然に受け入れてくれない状況が訪れていたのではないか。

そしてアフガニスタンとパキスタンに滞在したことで、祖国への思いとイスラム教への信義の意識が強まる。イスラム教過激派の思想に同調していくのは、むしろ自然な流れかもしれない。

父親の店はもともと24時間営業だったが、周辺住民からの騒音の苦情で、市政府が「午後10時閉店」の通達をだす。父親は通達が営業妨害にあたるとして、市政府を訴えるが負けてしまう。

さまざまな要因が合わさり、白人中心でまわるアメリカ社会への憎悪が増幅したとも思える。

もしかするともっと明確な意図があったのかもしれないが、ラハミ容疑者は爆弾テロという卑劣な犯行を決行することになった。当事件は再び、イスラム教徒とのつき合い方を考させられる事件となった。

泊まりでも、弾丸スピーカー

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by Pinterest

見たことのある・・・風景のはずである。

吉永小百合さんがJR東日本のテレビCMで訪れている青森県北津軽郡にかかる「鶴の舞橋」である。テレビで観るまで、橋のことはまったく知らなかった。

今週、青森県弘前市と八戸市に講演で足を運んだので、橋を眼にできる機会があると思っていたが、かなわなかった。1泊2日の旅程なので、と思ったが甘かった。

午後に羽田から飛行機で青森市に入り、迎えに来ていただいた方とすぐに車で弘前市に移動。ホテルで打ち合わせをしたのち、ほどなくして講演にいらした方々と一緒に会食。そして90分のスピーチ。

津軽富士と言われる岩木山を遠望できる鶴の舞橋はスピーチを行った弘前市から遠くないところにある。だがホテルを出ると、外はすでに暗くなっていた。すぐに青森市に車で移動して投宿、というスケジュールが組まれていた。

翌朝はホテルで朝食を食べたのち、東北新幹線で八戸市に移動し、市内のホテルで昼食を兼ねた講演をこなした。

スピーチが終わると担当者が新幹線の駅まで送ってくださり、そのまま東京にもどった。

「またゆっくりいらしてください」

青森に再び行く機会があるかどうかはわからないん・・・です(弾丸スピーカー)。