企業にまで広がるトランプ嫌い

ドナルド・トランプが事実上の共和党代表候補に決まったあと、トランプ嫌いが共和党内にアメーバのようにまん延している。

ブッシュ家の3人(父と長男、次男)は11月8日の本選挙では、トランプにもヒラリーにも投票しないとの意思を表した。2012年の共和党大統領候補ミット・ロムニーと下院議長ポール・ライアンは、7月18日から始まる共和党大会でトランプを支持しないと表明。党内の分断は眼にみえるかたちで広がっている。

トランプ嫌いの拡大はもちろん政治家だけではない。米大手企業コカコーラとマイクロソフトは今年、共和党大会には多額のお金をださないことにした。党大会というのは、大統領選の夏祭り的な位置づけで億円単位の予算が必要になる。

12年の共和党大会でコカコーラは66万ドル(約7000万円)を、マイクロソフトは150万ドル(約1億6000万円)を提供して大会を盛り上げた。だが今年は、コカコーラが7万5000ドル(約800万円)をだすだけだし、マイクロソフトにいたっては現金の代わりにIT機器を提供することにした。

ただ党大会まで2カ月以上もあるので、私のこれまでの経験からは、トランプ嫌いに回る一派がいる一方で、トランプ支持に回る人たちも増えて党大会は何事もなかったように無事に実施されると読む。

いまはヒラリーがトランプの個人攻撃をどうかわし、逆襲するかを待ち望んでいる。