安保法制を最高裁にゆだねる

安全保障関連法案が16日、衆議院本会議で可決された。

いまの情勢では11本の法案は参議院も通過するので、日本は実質的な集団的自衛権を得ることになる。

以前にもこのブログで書いたが、私は30年以上前から集団的自衛権は近代国家として当然もつべき権利であると考えているので、結果だけから言えば「OK」だが、首相の安倍が「憲法ハイジャック」をして通過させたという点で同法案には反対せざるを得ない(集団的自衛権のあり方 )。

多くの憲法学者が論じている通り、安倍が述べるような防衛体制を日本がもつためには憲法9条を変えなくてはいけないが、2年前に憲法96条の改正は否定された。その時点で国民は憲法改正に「NO」という答えをだしたわけで、首相はしばらく憲法改正をあきらめなくてはいかなかった。

だが安倍は逆の流れをつくった。強引に川の流れを逆流させたようなものである。

野党はこれから「廃案に追い込む」と批判しているが、実質的にはむりである。私は最高裁に違憲立法審査を要請し、法律を無効にするという手立てが望ましいと考える。

日本の最高裁はこうした案件で違憲との判断を下したことはほとんどない(たぶん皆無)が、アメリカでは最高裁に判断をゆだねることはよくあり、司法のトップに今回の法案の成立過程と憲法9条との兼ね合いを熟慮してもらうのが最善策だろうと思っている。(敬称略)

「今後10年以内にイランがイスラエルを攻撃したら、、、その時に私が大統領だったらイランを軍事攻撃します。そのことをイラン人は知っておいてほしい」

まぎれもなく2016年の米大統領選に出馬しているヒラリー・クリントン前国務長官(以下ヒラリー)が発言した言葉である。ただこの過激な発言は 、ヒラリーガ08年大統領選に出馬した時、米ABCニュースとのインタビューで答えている(男より好戦的な女  ヒラリーが密かに描く世界地図)。

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from the official campaign ad

自殺を止めるために

今日は硬いはなしをデスマス体で書きます。

岩手県の中学2年生・村松亮君が命を絶ちました。

いじめが原因で自殺する10代の青少年があとを絶ちません。3年前、滋賀県大津市で自殺した中学生の件では、当ブログでまじめに意見を述べました(滋賀県いじめ事件:的はずれのオンパレード )。

今日は実際にいじめを受け、自殺を考えている青少年たちに語りかける興味深い試みを紹介します。

7月8日、Tokyo FMの「School of Lock」というラジオ番組でメインパーソナリティの「とーやま校長(遠山大輔)」が語りかけています。

「、、、いくらやってもどうにもならない時は戦わなくていいから。だって(相手は)クソみないな奴らなんだから。その場から逃げてくれ。逃げよう!」

「、、、君たちも恋をすることがあるでしょう?、、、男子はおっぱいだって触れるんだよ。まだ触ってないだろ?、、、だから死にたいと思っている君は、死なないでくれ。絶対に死なないでくれ!」

実際の校長や教育委員会の人間にはできない心のこもった救いの言葉がラジオから溢れでていました。

米国で死刑がなくなるかもしれない―。

今年になって死刑廃止論が、米国の法曹界だけでなく一般市民の間でも広がりを見せている。これまで米国では日本と同様、もっとも重い刑罰は死刑であり、犯した罪を死ぬことで償うべきとの考え方があった。

現在でも全米50州中31州で死刑が制度として維持されている(米国で高まる死刑廃止論)。

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Photo courtesy of Catholic.com

日本はなぜ戦争に突入したのか?

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なぜ日本は真珠湾攻撃をすることになったのか。

すでに多くの学者や著述家が検証しているテーマである。だが、近衛文麿や東條英機、山本五十六といった歴史上の人物たちがさまざまな局面で、実際になにを考え、どう動いたのかといった視点で書かれた著作は少ない。

今月6日、日本外国特派員協会で『Japan 1941: Countdown of Infamy』(Japan 1941: Countdown to Infamy: Eri Hotta)という本を紹介するイベントのMCをやった。

著者は堀田江里(親戚ではない)。英語で書かれた作品なのでEri Hottaと記したほうがいいかもしれない。

特派員協会のイベントのためすべて英語で進行されるが、堀田江里は日本生まれの日本人。だが高校卒業後はアメリカの大学に進学し、大学院はイギリス。オックスフォード大学で教鞭をとった経験もある人なので流れはスムーズである。

学究的なアプローチを使ったノンフィクションでありながら、小説のような読み物として成り立つ著作は少ない。日本語版はいま、著者みずからが翻訳者となり執筆を進めている。

アマゾン的に言うと「★5つ」の作品である。(敬称略)