たまに鳴らす「ジャーン!」

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ぜいたくと言うほどでもないが、ときどき自宅近くにある公共施設の音楽室を1人で借り切る。

そこにピアノが置かれているので、とにかく弾きまくる。普段は楽譜をもっていかない。自分の思うままに指を動かして、過去に覚えた曲はもちろん、即興で鍵盤をたたく。

実は小学校2年から6年まで、ピアノのお稽古に行かされていた。嫌でイヤでしょうがなかった。中学に入ってから投げ出した。母親は残念がったが、私はほっとした。

けれども30数年前に再び始めた。当時、アメリカの首都ワシントンに住んでいて、学生3人で借りた小さな1軒家のリビングに古いピアノが置かれていた。

「そういえば小さい頃、弾かされていたなあ」と思いだしながら指を動かすと、けっこう覚えている。

その後、自分でピアノを買って弾くようになった。あれから30年以上がたち、今では弾かされていた立場から自らが弾くという姿勢にかわった。

だが、いまだに昔の曲が中心というのはどうしたことか。それでも今は母親に感謝しなくてはいけないと思っている。