「正義は勝つ」

耳慣れたフリーズである。米国のバラック・オバマ大統領が26日、イスラム教スンニ派の過激派組織「イスラム国」に対して使った言葉だ。

その通りになればいいが、現実社会では必ずしも正義が勝つとは限らない(勝利なき泥沼の戦いを始めた米国)。

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by the White House

米大統領的バケーション

バラック・オバマはいまマサチューセッツ州にあるマーサズ・ビンヤード島という離島で夏休みをとっている。

日本でいえば軽井沢のようなところで、特にアメリカの東海岸に住む人間にとっては富裕層の休暇先として知られる。

ただ夏休みといってもワシントンから200人ものスタッフを引き連れている。警護役のシークレットサービスから安全保障問題担当の補佐官、広報担当官にいたるまで休暇先でもワシントンにいるときとほとんど同じような仕事環境をつくっている。

それは「移動ホワイトハウス」といっても差し支えない。島にいながら毎週末には、恒例のラジオ演説もおこなっている。

今回は2週間という長さで、それが長いか短いかは判断の分かれるところだ。80年代の大統領レーガンはほぼ1カ月をカリフォルニアの牧場で過ごした。過去30年で休みをもっともたくさん取ったのは前大統領のブッシュ。8年間の任期中879日も休みを取ったという記録がある。オバマはここまで約150日。

それでもシリア問題やミズーリ州での黒人青年銃撃事件などいくつもの重要案件があり、休みなど取っている場合ではないという批判がある。税金を使って200人ものスタッフを引き連れていくべきなのかとの声もある。

ただオバマの夏休みは、過去の大統領と比較するとごくごく「フツウ」と言えるかもしれない。(敬称略)

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マーザズ・ビンヤード島の別邸でボールダー司法長官と

By the White House

前回のコラムでエボラ出血熱(以下エボラ)の蔓延の怖さを書いた(「エイズよりはるかに怖いエボラ出血熱、蔓延の兆し」)。今回はその続編である。

西アフリカを中心に、エボラの拡大は依然としてとどまらない。世界保健機構(WHO)が発表した最新の数字では、感染者数が1848人、死者は1013人に達している(エボラ出血熱の治療薬が簡単にできない理由)。

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