インドから届いたスーツ

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今朝、小包がひとつ自宅に届いた。

「インドから」と書かれていたので、察しはついていた。先月、インドを旅した時、ジャイプルという都市で仕立てたサマースーツである。

ただ手元にとどいた小包は、まるで紅茶が詰め込まれているかのような約25センチ四方の堅いパッケージだった。

「ン、、、スーツ以外にも何か買って送ったか?」

いちおう紳士用スーツである。ここまで小さく、堅くしていいのか。しかも布で包んだあと、開口部を糸で縫ってある。

恐る恐る開ける。中から何重かに織り込まれてシワシワになったスーツがでてきた。やってくれるものである。

実は、ジャイプルという都市は繊維産業がさかんで、スーツだけでなくスカーフやカーペットも生産している。

ある日の昼過ぎ、スーツを仕立てた店では手際よく10カ所ほどを採寸してくれ、その日の夜に仮縫いができるとのことだった。ホテルまで試着のために出向いてくれるという。

「実は午後にプシュカルという町まで移動するのです。試着は無理ですね」

だが先方は平然と言った。

「だいじょうぶです。100キロ先までうかがいます」

翌朝、本当に若い社員がバスに乗って、わざわざ試着のためにプシュカル(時間のなくしかた )のホテルまでやってきた。部屋で試着し、少しばかりの直しを指示すると男性は笑顔で帰っていった。やってくれるものである。

いい意味でも悪い意味でも期待を裏切らない、、、インドなのである。

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ジャイプール郊外の アンベール宮殿と観光者を乗せるゾウ