ペンタゴンのダイエット:新孤立主義

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by the White House

ペンタゴンがダイエットをする?

過去10年以上、アメリカはアフガニスタンとイラクで多くの米兵の死傷者を出してきた。戦費もかさんでいる。戦争はもうたくさんというのが多くのアメリカ人の本音だ。

ペンタゴン(国防総省)もそのあたりをよく理解しており、本国のはるかかなたでの戦争はいい加減にして、そろそろダイエットしましょうという言い方が登場している。それが「The Pentagon is on a diet」という表現だ。

オバマは大統領になる前からアフガニスタン、イラクでの戦争を終わらせると言い続け、2011月末にイラクから完全撤退した。最近またイラク国内でのテロ組織による活動が活発化しているため、イラク政府はホワイトハウスに米軍の再派兵を依頼したが、いまのところ検討していないという。

オバマ本人だけでなく、政権内部の人間もどうやら中東問題への軍事介入はできるだけ控えたいらしい。こうした姿勢を米メディアは昨秋から「新孤立主義(New Isolationism)」と呼んでいる。

オバマ版の新孤立主義は前向きな思考の結果ではなく、「他人のことはもう知らない」的な態度による悲観的で消極的な心持ちからきているようだ。

となると、過去何十年も言われていたアメリカによる「覇権」というものとは縁遠くなる。

オバマ政権の任期終了まであと3年。アメリカは小さな巨人になりつつある。(敬称略)