自民党の票は伸びていない!

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17日正午、有楽町の日本外国特派員協会に現れた小沢一郎は淡々とした口調で言った。

「野党が候補を1本化すれば自民・公明に負けないと思っている。昨年末の選挙でも、自民の票は伸びていない」

この発言を負け惜しみと捉えるか、核心を突いていると解釈するかは意見がわかれる。

アベノミクスが本当に景気をよくすることができるかの答えは今秋以降にでるはずだ。年末になって、一般市民の生活レベルが下がり、経済指標が下降線を描くようであれば期待感だけで終わったということになる。

「景気をよくすることに異論はない。自由競争に反対しているわけでもない。ただ安倍さんの競争力のある大企業を大きくしていけばいいという考え方には納得できない。働く人たちのセーフティーネットを作った上での自由競争にしなくてはいけない」

この主張は小沢がかねてから繰り返していることだ。この日もその持論を展開したが、かつてのような「政界のドン」的な存在感は薄れてきている。

20年前から政権交代可能な2代政党制を目指すといいながら、自民党の対抗勢力をまとめられずにいる。民主党を抜け出て、次の政権の受け皿となる野党を形成できていない。

「日本はまだ真の民主主義国家ではない。古いものは壊さないと新しいものは生まれない」

すでに71歳。小沢に残された時間はそう長くない。(敬称略)