真夏の刺客

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銀座5丁目のソニービル1階にいま、海水魚の水槽が設置されています。その中で威光を放っているのが巨大ウツボ。

毎年夏になると、ウツボやサメがお目見えしますが、今年のウツボは特大サイズ。

環境が人をつくる

数年前のことである。ある所でコピー機を利用した。1枚10円。

100円硬貨を入れようとした時である。90円という残高数字が出ている。明らかに前の人がおつりを取り忘れていた。

アメリカにいた時は、間違いなく「ラッキー」という場面である。こうした状況で残金をわざわざ店に返すアメリカ人はいない。たぶん、多くの国でも同じだろう。「天が与えてくれたもの」といった都合のいい解釈をする。

その時、私は残金をそのままにして自分のコピーを取ろうとした。誰もみていない。

「ンー、どうしようか」。心の中に小さな葛藤があった。だが、おつりの返却レバーを押して90円を店側に渡した。店員さんは「あっ、どうも」という当たり前の対応だった。

この反応にたいへん驚いた。アメリカでおつりの返却をしたら、いたく感心されるか、「貰ってもいいのに!正直ですね」という顔をされる。だがその青年は当然の行為という振る舞いで、こちらを見ていた。

「日本に帰ってきたんだな」

25年間の滞米直後だったこともあり、「カウンター(逆)・カルチャーショック」だった。あれから数年が経過した。

先日、まったく同じ状況にでくわした。残金も同じ90円。何のためらいもなく返却レバーを押して、おつりを返した。

やっと「日本人に戻れた」という思いがあると同時に、他国ではこれが「人のよさ」につながり、つけこまれることになる日本人気質であったりもする。

海を越えた時はスイッチを切り替えればいいのだが、機械ではないのでそう簡単ではない。

自民党の票は伸びていない!

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17日正午、有楽町の日本外国特派員協会に現れた小沢一郎は淡々とした口調で言った。

「野党が候補を1本化すれば自民・公明に負けないと思っている。昨年末の選挙でも、自民の票は伸びていない」

この発言を負け惜しみと捉えるか、核心を突いていると解釈するかは意見がわかれる。

アベノミクスが本当に景気をよくすることができるかの答えは今秋以降にでるはずだ。年末になって、一般市民の生活レベルが下がり、経済指標が下降線を描くようであれば期待感だけで終わったということになる。

「景気をよくすることに異論はない。自由競争に反対しているわけでもない。ただ安倍さんの競争力のある大企業を大きくしていけばいいという考え方には納得できない。働く人たちのセーフティーネットを作った上での自由競争にしなくてはいけない」

この主張は小沢がかねてから繰り返していることだ。この日もその持論を展開したが、かつてのような「政界のドン」的な存在感は薄れてきている。

20年前から政権交代可能な2代政党制を目指すといいながら、自民党の対抗勢力をまとめられずにいる。民主党を抜け出て、次の政権の受け皿となる野党を形成できていない。

「日本はまだ真の民主主義国家ではない。古いものは壊さないと新しいものは生まれない」

すでに71歳。小沢に残された時間はそう長くない。(敬称略)