ダ・ヴィンチの偉功

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上野にある東京都美術館でひらかれているレオナルド・ダ・ヴィンチ展に足を運んだ。

ダ・ヴィンチの油彩画を観に行ったのだが、本物は1点のみ。上の作品は写真撮影が許されたレプリカで、もう少したくさん観られるかと思っていったので期待外れだった。

現存するダ・ヴィンチの油彩画の点数がそもそも少ないため、東京にもってこられる作品数に限界があったのだろう。あとはダ・ヴィンチの弟子や彼の油彩技法に影響をうけた画家たちの作品がでていた。

私がここで述べるまでもないが、ダ・ヴィンチは手稿といわれるメモを生涯にわたって書き続け、1000点以上が残っている。人物の肖像から動物、武器の創案、物理理論や土木工学にいたるまで、イラストを交えて説明を加えている。

今回の特別展のほとんどはそうした手稿の展示だった。500年たっても朽ちずに残っている。インクはさすがに薄れているが、紙はそのままである。500年前のペーパーだ。

当時の紙は中性だったのと保管方法がよかったため、酸化がほとんど進んでいないのである。

もちろん過去500年の間に修復師の手が入っている。将来も同じ状態で作品が鑑賞されるように、保存・修復の業がなされることで作品は保たれるのである。その事実をかみしめられた点で、貴重な展覧会だった。