事故調の意味

福島原発事故を調べていた国会事故調(国会事故調査委員会)が5日、報告書を公表した。

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委員会の顔ぶれは全員が民間人で、役人も議員も入っていないので機能が果たせたと思う。結論として、事故は自然災害ではなく「人災」と断じた。まともな判断だろう。利害を抜きにして調査する委員会を作ったことは意義があったし、民主主義が機能したといっていい。

これが独裁国家や軍事国家だったら、まともな調査委員会も結論も導き出されないままに終わっていただろう。そうした意味で、日本はまともである。

ただ問題はこれからだ。残念ながら641ページにもおよぶ報告書を法的に生かしていく術がない。政府の危機管理体制と原発規制をすべて塗り替える行政力を与えてもいいくらいだ。

せっかく半年以上も費やし、延べ1000人以上が聴取に応じた報告書だ。「ハイできました。発表します。終わります」ではあまりにも残念だ。

メディアもこの報告書をどう生かすかを積極的に提言していかなくてはいけない。