倒産という現実

毎月、帝国データバンクという企業調査を行っている会社が倒産集計をだしている。

毎月頂いているので、チラッと数字をみている。過去数年、毎月約1000社が倒産している。リーマンショック後は1200社に達したこともあったと思うが、それ以前も現在もだいたい月に1000社が潰れている。

日本国内には約420万の会社があるので、1000社という数字はパーセンテージからすれば大きくはない。だが1000社にはそれぞれ社員がいて、その背後には家族もいるので、やはり倒産というのはタダごとではない。99%は中小企業だが、誰も潰そうと思って企業経営はしていない。

メディアに登場する社長の多くは成功の象徴としてその姿を現す。何をもって成功とするかは議論がわかれるが、営業利益が継続的に前年を上回り、製品やサービスが社会的に認知され、社員も株主も「今後もその会社と共に歩んでいきたい」と考えていれば成功といっていいだろう。

どの経営者も成功譚を語りたがるが、それは結果論に過ぎないことが多い。どの会社にも生かせる共通する秘訣は意外にも少なかったりする。それよりも大事なのはたぶん失敗例であろう。

知り合いが起こした企業が最近潰れた。ベンチャーキャピタルから億円単位の資金を借り入れていたので、今後の多難さが想像できるし、ビジネスの難しさを思い知らされた。

最初にビジネスプランを聴いた時、本当にこの計画で大丈夫だろうかと思いはしたが、自信に満ちあふれた社長の表情と詳細な事業計画、予測される数字がパワーポイントに示され、反論する機会を失っていた。

私は出資者ではないし、共同事業者でもない外野席の人間だったこともあるが、計画が立案された時点で的確に「ここがマズイ」「こうした方がいい結果がだせる」と指摘できる人は多くはない。

コンサルタントという肩書きの人間ほど自分で会社経営をしたことがないことが多く、本当に稼げる企業にするためのアドバイスは難しい。

たぶん経営というものに真理はない、、、、。