置き去りにされたニュース

仕事がら、毎日世界中のニュースに眼を這わせている。

主要メディアは重要なニュースにしか力点を置かないので、「置き去りにされたニュース」は数知れない。事件という点ではアメリカの多様性と件数が際立つが、残虐性という観点からではメキシコが群を抜いている。

1つには麻薬密売で潤うギャング団が抗争を繰り広げており、その被害が一般市民にもおよんでいるからだ。首が落とされてゴミ箱に捨てられたとか、処刑スタイルで銃殺され、手足を切断されたあとに歩道橋からつり下げられるといった凄惨さが眼につく。

さらに、あるメキシコ人女性が家庭内暴力(DV)を逃れて保護施設に入ると、そこが売春宿だったといった笑い話にもならないニュースさえある。

そうした世界の諸事を眺めると、日本はなんと安全で住みやすい国なのかと思う。あるファーストフード店に入り、レジの前に列ができている。店員が「まず席をお取りください」といって荷物を置くことを促す。

こうした行為を普通の所作として受け入れているのは日本以外にないだろう。多く国では、その荷物を盗んでくださいといっているのと同じだ。

それが平和ボケにつながるという考え方もあるが、日本はその平穏さを誇るべきだと思う。ただ国外に出たときは、「別人」のようになって身を引き締めなくてはいけないが、、、。