デトロイトのGM 本社
アメリカの自動車メーカーのビッグ3(GM、フォード、クライスラー)が失墜し、もう立ち直れないと噂されたのは数年前である。
ところが16日に発表されたGMの2011年通期の純利益は76億ドル(約6000億円)。過去最高を記録した。販売台数でも首位に返り咲いた。
ビッグ3の中でも特にGMについてはこのブログで何度も書いてきた。08年12月には早く破産させて、再建に向かった方がいいとも記した(GMの終焉 )。
10年に出した拙著でも、今月出した本でもアメリカの製造業は死なないと述べた。
GMのオハイオ工場を始めとする多くの工場ではすでに24時間3交代制のフル稼働に入っている。夜中でもラインは動いているのだ。それほど売れている。
日本の自動車メーカーはどうなのか。日本自動車工業会(JAMA)に訊くと、「それについては把握していない。各メーカーに問い合わせてほしい」というので、トヨタの広報に訊いた。
「2直(交代制)が基本で、真夜中に製造ラインを動かすことはないです。いくら製造が追いつかないような状況であっても、作業員の健康上の問題などを配慮して夜中はラインを止めます。将来も3直はないと思います」
GMのように夜中も製造ラインを動かした方がいいということではない。トヨタはトヨタの経営スタイルがある。
ただ「死に体」と言われてきたアメリカの製造業は「死なない」ということである。
今日この話を知人にすると、彼はいった。
「堀田さんのアメリカへの愛がひしひしと感じられます」
「いや、ただかぶれているだけですから」
そっと返すしかなかった。