深刻なSE(システム・エンジニア)不足

かねてからアメリカの流れが日本に上陸する機会が多いと述べてきた。今また、一つの波が見られる。

アメリカは今の高失業率という社会状況に直面していても、IT業界においてはコンピューターのシステム・エンジニア(SE)やプログラマーが不足している。今年4月末に当コラムで指摘した通りで、その流れは止まるどころかさらに勢いと深度を増している。

実は今後5年で、その波が日本のIT市場に波及する可能性が高い。何故その流れが日本に上陸するかの理由を述べたい。

全米最大の衣料品小売GAP(ギャップ)は、ビジネスの力点を国内の店舗展開から国外やネットショッピングに移している。それは地上店での売上が落ちてきているということである。実際にギャップの店舗に足を運ばなくても、ネットショッピングで同じものを購買できる点が指摘される。消費者行動は確実に変化してきている、、、、(続きは堀田佳男公式メールマガジン『これだけは知っておきたいアメリカのビジネス事情』)。

鮨の舞台

こだわりの鮨屋に行った帰路はいつも笑みを携えている。

2年ほど前に書いたブログ(妥協したくないもの )で、 食べるもので唯一こだわっている鮨について記した。そこで銀座5丁目の鰤門(しもん)を紹介した。

日本橋店があいて1年。新妻賢二は変わらぬ手さばきで板場に立つ。

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日本全国に約3万5000の鮨屋があるという。銀座だけでも約150店。登り詰めた狭い領域に30店ほどの鮨屋がひしめく。その中にはミシュランの星が来たところもあるが、評価はあくまで自身の舌である。

30の中には鮨の味はいいが、通夜のような静けさと緊張感の中で食べて帰ってこざるを得ないところもある。だが、新妻は「そうはさせない」。

30は甲乙つけがたい。サービスに文句があろうはずもない。しゃりが差し替えられ、あがりは黙っていても何度となく注される。ネタにこだわりを持たない店はない。鰤門のわさびは御殿場であり、のりは有明海といった具合だ。

あとは自分との相性となる。

日本とアメリカの間には数えられないモノが行き来するが、日本産でアメリカで興隆しているモノの一つが鮨だ。ほとんどはスシに変わっているが、30は伝統的な日本の鮨のまま世界の頂点に凛然と輝く。超然としたまま動じない。写真の男がその1人である。(敬称略)

セクハラという敵

セクハラは大変繊細で、かつ無視できない問題である。アメリカではケイン大統領候補のように命取りになることも少なくない。企業としても防止努力が求められている。

米雇用機会均等委員会(EEOC)によると、1997年から2010年にかけて、アメリカのセクハラ訴訟件数は1万5889件から1万1717件に減少したという。

だが少し調べると、公表されたセクハラ件数が減ったのは実質総数が下がったからではなかった。仲裁が入ったり示談で済ますケースが増えて訴訟に至らないだけで、セクハラそのものは減っていないことがわかった。後述するが、実際ははるかに多い。

ケイン候補をセクハラで糾弾している4人目の女性の弁護士グロリア・オーレッドさんは、タイガー・ウッズさんやアーノルド・シュワルツネッガーさんに対する訴訟を担当した人物である、、、、(続きは堀田佳男公式メールマガジン『これだけは知っておきたいアメリカのビジネス事情』)。

侵入者!

11月下旬、友人からある連絡を受けた。グーグルの検索から、私のブログをクリックすると「危険サイト」の警告がでるというのだ。

最初はウイルスに感染したのかと思った。当ブログを製作・デザインし、いつも世話になっている会社に原因究明を依頼すると社長がすぐに動いてくれた。ほどなくして復旧したが、原因はウイルスではなかった。

「誰かが入り込んで、10ヵ所を改ざんしていました」

ハッカーによるシステムへの不正侵入である。英語でいうクラッキングだ。もちろん刑事罰である。

まず誰が何のためにということが脳裏に浮かんだ。しばらく考えたが、「誰が」という 点で思いあたる人はいない。過去1年をさかのぼっても、ケンカをした人もこちらが罵倒した相手もいない。

ジャーナリストとして活字だけでなくテレビやラジオでも言論活動を行っているので、その内容を快く思わなかった人間の可能性もある。特にTPP問題では「推進派」としてテレビで取り上げられた。

ただ私は正面切って、モノを言っている。文句があるのであれば、「直接ぶつけてこい」と言いたい。人のブログに不正侵入し、嫌がらせをする輩は許せない。

平成11年8月に不正アクセス禁止法(不正アクセス行為の禁止等に関する法律)という法律が成立した。もちろんハッカーに対する処罰である。今回のハッカーの行為は同法第3条に抵触する。

起訴して有罪になった場合は、1年以下の懲役または50万円以下の罰金である。

そのハッカーが日本人で、このブログを読んでいるのであれば今後のなりゆきが面白い。

私はジャーナリストである。嫌がらせというより、興味をかき立ててくれた点でハッカー行為は私にはむしろ逆効果である。

共和党はやはりロムニーか

アメリカ大統領選が面白い展開を見せている。

最初の予備選・党員集会(1月3日)が行われるまで1カ月ほどあるが、共和党レースのトップがことごとく入れ替わっているのだ。

今年8月までの世論調査はミット・ロムニーがトップを維持していた。6月には一時、下院議員ミシェル・バックマンの支持率が上昇したが、すぐににロムニーが人気を取り戻す。8月からはテキサス州知事のリック・ペリーが優勢になる。

9月下旬にふたたびロムニーがリードすると10月からは黒人候補のハーマン・ケインがトップに立つ。そして11月初旬に再度ロムニーが先頭を奪った。同月中旬からは元下院議長のニュート・ギングリッチがトップに来るといった具合である。

そしてケインが3日、セクハラと不倫疑惑によって選挙戦から撤退した。現在の支持率から言えば、ギングリッチかロムニーなのだが、ギングリッチについては7月に私見を述べたように(オバマ対ロムニー)、ほとんど勝てるチャンスはない候補なので、流れとしてはロムニーということになりそうだ。

ギングリッチになぜ勝てるチャンがないかといえば、選挙資金の集金額を見ると(9月末)、ギングリッチの300万ドル弱に対し、オバマはほぼ30倍の9000万ドル弱である。しかも、ギングリッチの選挙対策本部の力はいま乳飲み子くらいに脆弱で、来年1年間、選挙戦を継続できる力はないように思える。

人間的にも、共和党ではケインに次いでもっとも倫理的に大統領として不適格といえるほど問題を起こしてきた。そうなると、「妥当な線」としてロムニーが共和党代表候補に浮上してくる。あと半年で情勢は固まる。(敬称略)