2派に分かれる世界のビジネス潮流

「アメリカの時代は終わった」という発言を耳にすることがある。私に言わせれば、それはアメリカに対する無知をさらけ出している言い分であるかと思う。過去30年、アメリカにかかわり続けているため、その言葉がいかに説得力がないものであるか、多くの分野で証明できる。最近では「中国の終わり」という切り口さえ登場しているが、それも一側面に過ぎない。

両表現は的確さを欠いているが「特定分野に限っては」という前置きをつけると、少しばかりの説得力を持ってくる。たとえば、中国南部広東省の新塘(シンタン)は「ジーンズの村」として世界のアパレル関係者にその名が知られている。

だが、いま存続の危機に立たされている、、、、(続きは堀田佳男公式メールマガジン『これだけは知っておきたいアメリカのビジネス事情』)。

政治システムに完璧なし

このところ、崩れゆく資本主義の行き先について考えている。

シンガポールに来て、ひとつのヒントがここにあると思ったが、シンガポール人10名ほどと話をすると次から次へと不満が口をついてでる。どこの国でも現政権に対する批判はあるが、人口も増え、経済成長もいちじるしく、生活水準も高いこの国でも求めるものはつきないことがわかる。

                            

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1965年の独立以来、現在の首相リー・シェンロンで3人目のリーダーである。政治的には人民行動党の一党独裁で、国家資本主義を推進している。

市民は普通にカネ儲けに走ることができるが、車1台買うのに所有許可証を数百万円はらって取得しなくてはならず、制約は少なくない。

政治的にモノ事を進めるときに、「緩やかな独裁」は日本とは比較にならないくらいのスピード感で決断できるが、首相の年俸は数億円で、一部の富裕層は何台もの車を所有し、一般市民との間に格差がひろがっている。

それでも憤懣が表出しているわけではない。「独裁者」を打ち倒そうという運動は起きないのか問うと、「ないない。平穏は保たれているから」とリビアのような独裁者とは違うと言う。

人口約520万。4割弱は移民である。母国語はマレー語だが、コンビニの店員もタクシーの運転手も英語を話す。淡路島とほぼ同じ面積のこの国は、気候も町のつくりもどことなくフロリダに似ている。

若い国だからこそ高い効率を追求した国家が建設できたのか、それとも緩やかな独裁だからなのか、はたまた中国人を中心にした混成チームによる国民性のあらわれなのか。

日本国内にシンガポールに似たモデル都市を作っても面白い。

    

ここはどこの国でしょうか

                         

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                         ヒント:東南アジア

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<答: シンガポール。10月23日午後のオーチャード・ロードのヒトコマ>