ファミリー経営の新しい力

景気の回復が遅れている。それだけに同業他社の動きは気になるものである。相手の業績が伸びていたらなおさらだ。

百貨店業界は日米両国で低迷が著しく、日本では昨年まで14年連続で売上高が減少した。業界の下り坂傾向は深刻だ。大手であっても店舗の閉店を余儀なくされている。日本百貨店協会によると、加盟店舗数はすでに300を大きく下回って250ほどになった(ちなみに百貨店の定義は東京では売場面積が3000平方メートル以上)。

アメリカの大手百貨店も売上は減少傾向にあるが、ある百貨店だけは増収・増益を続け、飛躍的に店舗数を拡大させている。同社のオンライン・ショッピングも伸びている。シアトルに本社を置く創業110年目のノードストロームである。昨年の売上は前年比12%増の9700億ドル(約7500億円)。2000年からだけでも新店舗を43店もオープンさせ、今年7月現在、店舗数は116に達した。

ビジネス誌『フォーチュン』がアメリカの全企業を対象にした「働きたい企業100社」でも毎年ランクインし、昨年は53位。07年は24位にランクされた優良企業である。何が同社に好況をもたらせているのか(続きは堀田佳男公式メールマガジン『これだけは知っておきたいアメリカのビジネス事情』)。