リック・ペリーという候補

アメリカ大統領選の共和党候補選びが面白くなってきた。ここまで前マサチューセッツ州知事のミット・ロムニーが世論調査ではトップを走り、2番手に下院議員ミッシェル・バックマンがつけている。

前回の大統領選ブログで、このままでは来年11月オバマ対ロムニーという凡常な戦いになる可能性があり、テキサス州知事のリック・ペリーか前アラスカ州知事のサラ・ペイリンが参戦すれば候補選びという点で興味の深度は増すとかいた(オバマ対ロムニー )。

13日、大方の予想どおり、ペリーが出馬表明をした。ペイリンも個人的には参戦したいはずだが、家族、特に子供たちのプライバシー等を憂慮していまだに決断がついていない。

ペリーという政治家はアメリカの政界ではよく知られた人物である。直接インタビューしたことはないが、アメリカのメディアの受け答えを聞いたことがある。シャープな切り返しができず、論客とはほど遠い印象を受けた。 

「宗教色が強すぎるよ、彼は。親切に見えるけどかなり傲慢だな」

記者仲間の評である。

            

     

                           

外見は保守派の中高年に好まれそうで、壇上に立って笑顔を振りまくだけでニュート・ギングリッチやロン・ポールよりも票が伸びそうな手合いだ。前大統領のブッシュがテキサス州知事時代にずっと副知事を務め、ブッシュがホワイトハウスに来てからはテキサス州知事である。

減税の主張者で、もちろんビジネス優先。同性愛の結婚には反対で、死刑支持者という保守本流の政治家といってさしつかえない。オバマにとってはペリーのような対抗馬の方が攻撃しやすく、戦いがいがあるかもしれない。ただ、オバマの支持率は初めて40%を切り、今後の成り行きが見ものである。(敬称略)

企業の統合・分割の真の狙い

企業活動というのは実に面白い。今週だけでも企業統合と分割の両ニュースが世界を騒がせた。

最初は統合ニュースである。4日、日本経済新聞は日立と三菱重工が原子力事業を含むインフラ事業で「統合へ」とスクープした。だが、両社はいまだ最終合意に至っておらず、ウラが取れていないフライング報道だった。特に三菱側が否定したため誤報と言えるが、交渉はまだ途上である。

他方、分割のニュースもあった。日本では大きな報道になっていないが、アメリカ食品大手のクラフト・フーズが4日、北米食品事業とグローバル・スナック事業とを分離し、別会社にすると発表した。こちらはCEOのアイリーン・ローゼンフェルド氏が会見で分社化を明言した。

ここで問題にしたいのは報道の正確性ではない。統合・分割によるシナジー効果(相乗効果)や背景にある企業戦略である。日本の2社の場合、東日本大震災後の日本の産業力復活を狙い、さらに国際競争力を高めることが延長戦上にある。国内ではますます競合他社が限定的な市場を奪い合う環境にあるが、統合によって過当競争を回避して世界市場に力をシフトする意味合いがある。もちろん両社は増収・増益を見込んでいる。

それではクラフト・フーズの分割化にはどういった背景が隠されているのか、、、、(続きは堀田佳男公式メールマガジン『これだけは知っておきたいアメリカのビジネス事情』)。

ここはどこの国でしょうか

                     

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(いつも難易度が高いので)ヒント: 中米。遺跡で有名。 

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 <答:ホンジュラス。マヤ遺跡があるコパンの町>

もっとスピードを!

8月に入っても世界中でさまざまなことが起きている。まったく落ち着けない。「どうにでもなれ」という態度を取れたら楽だが、そうもいなかい。

東北の復興は相変わらず遅れたままで、政府は2兆円の第2次補正予算を通して胸をなで下ろしているかに見えるが、その額では復興という言葉の真の意味を知らないとしか思えない。

3日(水)、民主党幹事長の岡田の会見に出た。

「第3次補正予算が復興のカギだと思っている」

13兆円という額を準備すると言った。だが、第3次補正が成立するのは秋である。政治家たちは被災した人たちと地域を真に憂慮しているのだろうか。私は岡田に質問した。

「第3次補正がカギだというお話がありました。でも震災からすでに5ヵ月が過ぎました。復興にスピードがなさ過ぎる。なぜこれまで超法規的な行政執行ができなかったのですか」

岡田は第1次と第2次の補正予算を通したと言い、あとはのらりくらりの答弁だった。被災者の痛みなどまったく理解していないかのごとくである。

5日、フィナンシャル・タイムズが東北の特集記事を組んでいた。「100人ほどの国会議員が現地に視察に行ったが、今は被災地のことを忘れてしまったかのようだ」と書いている。

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            宮城県石巻市

限定された被災地で、再生可能エネルギーだけを使った未来都市の構築というパイロットプランを試すことは可能なはずである(試案:東北アップライズ )。「さあ、やるぞ!」と音頭をとるガッツのある政治家がいないだけである。

民主党N議員から以前、「岡田はキモがすわったいい政治家」と聞かされていただけに、落胆である。(敬称略)