堕ちていくキングギドラ

民主党がここまでもの事を前へ進められない事態を見ていると、これは自民党や民主党といった政権党が悪いのではなく、日本の政治システムに大きな欠陥があるという仮説が力をもってくる。

2年前までは、政界の腐敗は政権を握る自民党に諸悪の根源があるとの思いが強かったが、そうではなかった。議員内閣制というシステム、議員、官僚、政党、すべてに改革が必要であることがわかる。

特に昨日、辞任した復興相の松本龍や菅の行状を眺めていると、彼らは英語でいうローメイカー(Lawmaker)、つまり立法議員でしかないことがわかる。それ以下でも以上でもない。行政を任せられない。いや彼らに行政力はない。

国会内で法律を通過させる政治力と国を動かしていく行政力とはまったく違うものである。首相や大統領は国をマネジメントしていかなくてはいけないが、日本の政治家にはその能力が圧倒的に欠如している。

知り合いの衆議院議員が嘆いた。

「菅はあまりにも決断ができない」

復興相などは、ほとんどの国会議員にはつとまらない。1万人くらいの社員を動かしている多国籍企業や組織のトップを連れて来るべきである。 机上論をまくし立てる学者やコンサルタントほど会社経営ができなかったりする。実際に人とモノとカネを動かしている人を復興省の長にすべきである。

                       

        

                                 

アメリカから帰国してから4年。私は日本の統治機構がキングギドラであることに気づいた。頭が3つで体は1つというバランスの悪さを持ち続けている。政治家、官僚、政党がバラバラのままだ。ましてや行政の長であるはずの首相が権限の集権化を実現できていない。

むしろ緩やかな専制政治か有能なビジネスマンを大統領にして日本を動かしてもらった方が、間違いなくコトは迅速に前へ進む。(敬称略)