変わってきたコーポレート・ガバナンス

アメリカでコーポレート・ガバナンスという言葉が使われ始めたのは1960年代のことである。

「企業統治」と訳されるが、直訳では意味が曖昧なままだ。誰が企業を統治、つまり取り仕切るのかが焦点になるが、意図する内容が日米では違う。

日本ではいまでも多くの企業が社長や会長に経営判断を任せ、従業員は経営の主体者ではあるが、経営トップに付き従う立場でいる。一方、アメリカでは「企業は株主のもの」という考え方が通念になっている。従業員は入れ替わるモノという意識が強いので、日本ほど重視されない。

コーポレート・ガバナンスという言葉は60年代、ゼネラル・モーターズ(GM)が起こした一連の問題から派生している。GMによる設計ミスや公害問題が浮上したことで、政府は企業の非倫理的行為に目を光らせるべきとの考え方が流布した。

その後、GMだけでなく企業ぐるみの贈賄罪や不正事件が多発したことで、企業トップにすべてを任せておくわけにはいかないとの意識が広がった。その結果、役員の中に社外取締役・監査役を置いて情報開示や監査機能を強めるようになる。

ただその流れも時代と共に変化している。25年前のアメリカの企業統治と現在とでは様子が違う。何がどう変わったのか、、、、(続きは堀田佳男公式メールマガジン『これだけは知っておきたいアメリカのビジネス事情』)。