胡錦濤、ワシントンへ

上昇気流に乗る中国と下降線を描くアメリカ―。

中国がGDPで日本を抜くことは何年も前からわかっていたし、いずれアメリカをも凌駕することは誰もが気づいている。ただ今のアメリカは不安でしようがない。堕ちていく自分たちの姿を直視できないかのごとくである。

その態度の裏返しが、オバマの胡錦濤に対する強気の態度なのだろう。いまだにアメリカが世界一であることを誇示したくてしようがない。

                     

      

                  by the White House

            

いまでも経済力、軍事力、外交力のどれをとってもアメリカの優位性はゆるがない。けれどもそう遠くない将来、中国に追いつかれ、そして水をあけられる。早ければ10年後だ。

歴史的にみると、帝国が凋落していく時に現体制は保護主義的になる。それが共和党であろうが民主党であろうが同じである。中国の為替操作を責め、レアアースの輸出規制に対する制裁を検討するのもその表れの一つだ。

今後、世界はアメリカと中国の二極社会に本当に移行するのか、それとも中国がアメリカを蹴落として限りなく1極に近くなるのか。インドやブラジル、ロシアを含めた多極化の世界に移るのか、いまだに誰も明確な答えはもちあわせていない。

今週、J-WAVEに出演した時には時間がなくてその話のサワリしか語れなかった。ラジオ・フランスでも少し話をしたが、やはり話し足りない。今週はフラストレーションが溜まったまま、週末をむかえる。(敬称略)