オバマ経済学

オバマ大統領がホワイトハウスの住人になった2009年の秋、ワシントンで取材中、シンクタンクの研究者が言った。

「オバマ氏はカネ儲けを邪悪と考えているようだ。基本的に理念の人だし、市民活動家としてこれまで反ビジネスの立場にいた。その証拠に誰一人として財界人を閣僚に抜擢していない」

あれから2年。その話は研究者の話というレベルでは収まらなくなった。企業の営業活動はオバマ政権による規制により多少なりとも抑制された。大企業のCEOで構成されるビジネス・ラウンドテーブルは昨年、そうしたオバマ大統領への苦言と提案をリポートにまとめ、ホワイトハウスに提出した。そこには米財界のフラストレーションが綴られていた。

しかし中間選挙で民主党が大敗し、連邦下院の過半数を共和党に奪われたことで状況は一変した。オバマ大統領は共和党と妥協しなくてはワシントンの政治が前に進まない。手を組まなければ法案を通過させることはできない。

状況がよく把握できない人たちはこの「ねじれ」をワシントン政治のさらなる劣化と呼んだ。財政赤字と経常赤字の双子の赤字はすぐに解消せず、失業率も9%台で高止まりしている。経済成長率が鈍化する中で、オバマ政権は身動きができないと捉える。けれども状況は逆である、、、、、、、(続きは堀田佳男公式メールマガジン『これだけは知っておきたいアメリカのビジネス事情』)。