ワザあり:小売業界のこれから

先日、講演の依頼を受けてアメリカの最新ビジネス事情についての話をした。聴衆は東京商工会議所の商業部会に所属する大手企業のCEOや会長である。

講演前、ある大手デパートのトップと話をする時間があった。最近の景気を訊ねると「ひどいものです」と首を大きく振る。黒字を計上していても、多くの企業トップは大きな業績の伸びがない限り、謙そんして「ダメです」と言いがちである。だが、実際の売上概況は確かに低迷していた。「ひどい」という言葉はウソではない。

全国の主要デパートの10月の売上は前年同月比でプラスだったが、9月までは31カ月連続でマイナス成長を記録していた。10月は32カ月ぶりにプラスに転じただけで、伸び率はたった0.6%に過ぎない。

デパートの売上の40%以上はアパレルである。近年、ユニクロを始めとするファストファッションに食われ続け、デパートで衣類を買う人は減っている。アパレル業界は過去2年、岐路に立たされてきた、、、、、、、、、(続きは堀田佳男公式メールマガジン『これだけは知っておきたいアメリカのビジネス事情』)。

アメリカが見る北朝鮮

7日午前7時半からベイFM、小島嵩弘の「パワーベイモーニング」でアメリカが捉える北朝鮮について語りました。

http://blog.bayfm.jp/delinavi/

今朝はベッドから起きたのが本番40分前。電話でのナマ出演だったので間に合いましたが、受話器を握った時はパンツ1枚にスウェットシャツ。ラジオならではの出で立ち。

ワシントンでは日米韓の外相が集まって北朝鮮政策を協議しましたが、現実的には手詰まり状態。過去20年、北朝鮮には騙され続けているので、正面切った外交交渉は機能しないでしょう。

ベトナムと同じように、共産党政権であってもゆるやかに市場経済に移行させていくのが理想です。

推定有罪:高知白バイ事件

警察車両との衝突事故―。

2006年、高知市で白バイに追突されたバスの運転手、片岡晴彦に運転操作ミスはなかった。

にもかかわらず、高知地裁は片岡に1年4カ月の実刑を言い渡す。初犯にもかかわらず執行猶予は付かず、禁固刑を食らう。そこには「推定有罪」という前提が垣間見える。

今年2月、満期出所。だが、「無実の罪」との思いは強まるだけだ。第一次再審を請求し、戦いは続行中である。

JW(ジュディシャル・ワールド)最新号に18頁の長文記事を書いています。ぜひご一読を。

http://jw.leadersnote.com/

   

刀をつくる

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先日、ある職人の世界を垣間見た。刀工の現場である。

「えっ、いまだに日本刀を作っている人がいるの?」

そういう疑問が発せられても当然である。ほとんど世に流布していなので、知る人は少ない。現在、日本刀を作っている刀鍛冶は全国、いや世界中に200人いるかどうかである。

実は文化庁が毎年行っている美術刀剣刀匠という試験に合格した者だけが、刀を作れる資格をもっている。その一人、群馬県富岡市に工房を構える石田國壽を訪ねた。

刀の材料となるゴツゴツした玉鋼(たまはがね)から、指を置いただけで切れてしまいそうな鋭い作品に仕上がるまでの全工程を、一人だけで丹念にこなす。鉄を収斂させていく初期過程では、1360度にまで鉄を熱する。オレンジからイエローに近い色になったところで叩いて伸ばし、切れ目をいれて折り返す。それを何度か繰り返す。

「穴があいても構わない服装で来てください」

叩いた時に火花が四方八方に散る。刀工の見せ場でもある。赤松の炭がボウボウと燃え、工房の中は冬場でも30度近くになる。

「刀ヒトフリを作るために12キロ入りの炭を20俵から30俵は使います」

精緻と豪放を同居させながら、1カ月にヒトフリ、フタフリを仕上げるのがせいぜいである。800年ほど前から日本刀が作られ、古刀の人気は今も高いが、21世紀になっても刀は生まれ出ている。

作品を手にすると、ひたすら寡黙にさせられる。それほどの威力が宿っている。石田の作品は160万から180万円ほどだが、鎌倉時代の名刀には数千万の値がつくものもある。

また新しい世界が眼の前に広がった。(敬称略)

            

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                                               Photos by 萩原美寛