堀田佳男 Profile
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メタ情報
カテゴリー: Thought for the day,アメリカ社会 ― 2010年10月29日
中間選挙まであと4日

日本では相変わらず関心が薄いアメリカの中間選挙まであと4日。

連邦下院議員の435人と上院議員37人(任期6年:定員100人)が選ばれる。日本で言えば衆参ダブル選挙にあたるが、選ばれるのは連邦議員だけではない。あまり話題にならないが、37州では知事も選ばれるし、州議会の議員や市長、地元の評議員などの選出もある。またカリフォルニア州ではマリファナ(医療目的)の売買を有権者に問いもする。

アメリカの投票所に足を運ぶと、投票用紙には選択しなくてはいけない項目がずらずら並んでいる。これは大統領選挙の年も同じで、日本ではアメリカのローカルネタに関心が及ばないのでほとんど報道されない。

もちろん最大の関心は連邦議会の多数党が民主党から共和党に移行するかどうかにある。下院は共和党がほぼ間違いなく218という過半数を奪うとみられる。一方の上院は微妙である。8月のブログですでに述べたとおりである(普通の状態へ )。

中間選挙は歴史的に投票率が40%に満たないことも多く、一般有権者の関心は低い。大統領を選ぶわけではないので、本当に政治に関心がある人しか投票所に足を運ばない傾向が強い。というより中間選挙は現政権に不満のある人が一票を投じにいく選挙と言える。つまりオバマ政権の信を問う選挙なのである。

今月のアメリカ取材で目の当たりにしたのもその点につきる。

ティーパーティー(茶会党)に代表されるように、過去2年でオバマ政権が行ってきた景気対策や金融機関救済、医療制度改革は「大きい政府」の行政であると反発する。税金の使い過ぎであるとの不満が全米で噴出している。

ティーパーティーのTEAはボストン茶会事件から派生しているが、同時にTax Enough Alreadyの略でもある。全米で600以上の団体によってティーパーティー運動が起こされてはいるが、運動を統一する著名なリーダーは登場していない。さらに確固とした政策も見えない。反対!というパンチに過ぎない。

                                 

     

                                                   

こうした右からの政治的反動は過去200年以上に渡るアメリカ史を振り返るといくつも浮上してくる。独立運動時、フェデラリスト(連邦派)に反対した反フェデラリストもそうだし、20世紀に入ってからは反共主義団体として名高いジョン・バーチ・ソサエティなど少なくない。ある意味で、民主主義の健全な現象と捉えられる。

ワシントンのブルッキングズ研究所の上級研究員トーマス・マンも「国家統制主義への反発はつねにあった。よく見られる政治活動」と述べる。 

11月2日は民主党が負ける運命にあるので、連邦議会での議席は減る。それによって今後2年でオバマ政権と共和党議会が政治の本質的な歩み寄りを実践できるかどうかが焦点となる。

ねじれという「普通の状態」になった時、突っ張るだけでは政治が前に進まないことを学ぶ時期でもある。ロバート・サミュエルソンが今週、コラムで的を得たことを書いていた。

― 目先のことに心を奪われる政治家にとっては、政治は権力である。手に入れ、保持し、使おうとする。だが国家にとって、政治の本質は調停である ―

今のアメリカは民主と共和という政党が両極に開ききっている状態にある。アメリカに学びの時期がくることを期待する。(敬称略)

カテゴリー: アメリカ社会,経済 ― 2010年10月26日
アメリカ大企業の功名な節税のカラクリ

オンライン検索最大手のグーグルが過去3年、アメリカ国外の営業活動で31億ドル(約2500億円)もの税金を節約していたニュースは、多国籍企業だけでなく世界中の財界の話題をさらった。

グーグルが利用した節税手法は「ダッチサンドイッチ」と呼ばれる手法で、財界では依然からよく知られていた。近年は是正される方向にあるが、現在でも多くの企業がグーグルと同じ手法で節税の恩恵にあずかっている。

それはアメリカの多国籍企業の税収を眺めれば一目瞭然である。2004年のアメリカ財務省の資料によれば、彼らの国外での総利益は7000億ドル(約56兆円)に達していたにもかかわらず、アメリカ政府に支払われた税額は160億ドル(約1兆2800億円)に過ぎなかった。税率はたった2.3%である。ほとんど脱税の世界である。

ただ、資料によっては数字にばらつきがある。ミシガン大学とノースカロライナ大学が共同で行った2005年の調査では、アメリカ企業2000社の平均法人税率(実際に支払われた税率)は28.3%であった。ちなみにアメリカの法人税の実効税率は35%、フランスも約35%、ドイツは約30%で日本は先進国では最も高率の約40%である。

「ダッチサンドイッチ」のダッチはDutch(オランダ)、つまり諸外国で稼いだ利益を一度オランダに移し(サンドイッチ)、高額の法人税を回避する手口である、、、、、(続きは堀田佳男公式メールマガジン『これだけは知っておきたいアメリカのビジネス事情』)。

カテゴリー: アメリカ社会,経済 ― 2010年10月20日
デトロイト再生のカギ

10月中旬、アメリカ自動車業界はGMのIPO(新株式公開)の話題で盛り上がっていた。
         
なにしろ1728億ドル(約13兆円)というアメリカ製造業史上最大の負債規模で破たんした企業である。昨春の段階では、政府が膨大な税金をつぎ込んでも本当に再建されるかどうかは意見が割れていた。
しかしGMは今、IOPどころか黒字を計上するまで回復してきている。                                                           

今月のアメリカ取材で、消費者によってはトヨタ車よりもGMをはじめとするデトロイト製の車の方が今は「買い」であるとの声さえ聞いた。そればかりか、フォード車はトヨタ車より消費者からの苦情数が少ないとの調査結果も出ていた。                                                                                          トロイト再生のカギは何なのか、、、、(続きは堀田佳男公式メールマガジン『これだけは知っておきたいアメリカのビジネス事情』)。

カテゴリー: お知らせ ― 2010年10月13日
堀田佳男勉強会のお知らせ

11月から下記のような勉強会を開くことにいたしました。アメリカを中心にさまざまなことを語る会にしてきいたいと思っております。年齢や職種を問わず、どなたでも参加して頂きたいと願っております。よろしくお願い申しあげます。

《記》

■テーマ:中間選挙と「アメリカのイマ」

11月2日のアメリカ中間選挙の結果を眺めながら、アメリカはこれからどういう方向に進むのか。いまのアメリカの空気を感じとれるような内容にしたいと思っております。

■日 時:11月4日(木)19:00~21:00

■場 所:日本外国特派員協会 会議室(東京都千代田区有楽町1丁目7番地1 有楽町電気ビル北館20階)

  http://www.fccj.or.jp/japanese/access

■講 師:堀田佳男

■参加費:3000円(学生:2000円)

■締 切:下記メールアドレスに直接お申込ください。

  hotta@yoshiohotta.com

                                            

■定員に達し次第、締め切らせていただきます。

                                        

 以上、よろしくお願い申し上げます。

カテゴリー: Thought for the day,アメリカ社会 ― 2010年10月12日
アメリカのいじめ

教育ほど大切なものはないだろうと思う。

私は教育者ではないが、教育への投資は本質的に将来への投資であり、長期的な国家の繁栄を願うのであればふんだんに予算をさかなくてはいけない。

ただ教育現場には問題が山積している。その一つがいじめ(bullying)である。

ホテルでCNNを観ていると、いじめの特集番組を放映していた。最近、アメリカでいじめを受けたいたティーンネイジャーが立て続けに自殺を図ったこともある。番組にはいじめを受けていたゲイの少年やイスラム教の女子が赤裸々に陰湿ないじめの実態を語っていた。

近年ではインターネットや携帯を使った個人攻撃が顕著で、それは日米で共通している。かつては「いじめを受けたら転校すればいい」と、親が子供を違う学校に入れ、それで解決することもあった。けれども、ネットで世界中がつながる今、他校に移っても執拗ないやがらせを受ける子供たちは後を絶たない。

メディアがいじめに注目し、議論する場が増え、教育関係者や親が真剣に取り組み、いじめをする本人に行為をやめさせる現実的な手だてが打てなければ意味がない。政府が学校ごとに「いじめはありますか」といった調査をする行為は30年前に通り過ぎていなくてはいけない。

番組で、1人の教育関係者が的を得たことを口にした。

「数学ができない子供たちがいたら、教師や学校は補習授業を行うかもしれない。いじめも同じで問題を直視して、それに対応する授業や講義をシステムとして取り入れなくてはいけない」

むしろ、いじめが発生する前に予防的な措置として、必須の授業にしたらいい。いつの時代にもどこの世界でもいじめは発生するが、そのメカニズムには共通する部分があるはずである。

どうしてもいじめられる子供に目が向きがちだが、いじめる子供に焦点を当てていかなくては解決はない。