堀田佳男 Profile
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メタ情報
カテゴリー: アメリカ社会,経済 ― 2008年12月15日
GMの終焉

アメリカ政府がビッグ3を救済するかしないかの議論が続いている。

フォードは自力回復できる可能性があるが、GMとクライスラーはすでに倒産したと思ってさしつかえない経営状況である。私が2年半前、デトロイトで取材した時点で、すでに現地の評論家は「GMはいつ破産法第11章を申請してもおかしくない」とはっきりと言った。その時の原稿には、「2008年末までにGMは破綻する」と書いた。いままさにその時期がきている。

連邦上院は11日、ビッグ3救済法案を廃案にした。死に向かいつつある特定企業に多額の税金を割くべきではないという考えだ。妥当である。ところが、ホワイトハウスは何らかの救済措置を取るかもしれないという。私はGMの延命措置は無駄だろうと考えている。1兆円や2兆円くらいのカネの注入であの企業は改革できない。

モルヒネを何本か打つだけで、病魔は消えない。経営陣は10年以上前に抜本的な改革をすべきだったのだが、手をこまねいていただけだった。90年代半ばであれば救えただろう。だが、過去10年で彼らがやってきたのは工場閉鎖とレイオフを繰り返し、体重を落とすことくらいだった。内側からの本質的な改革には手をつけなかった。

全米自動車労組(UAW)との長年の契約で、「レガシー・コスト」と呼ばれる退職者の年金に多額の カネを割かざるを得ないという状況はよく理解している。だがGM内部の人間に話をきくと、「凍結した中間管理職」という言葉に代表されるように、あまりにも肥大化した官僚的組織の中で中間層が動かないという内部批判もある。さらに古い製造ラインがあまりにも多く、簡単に斬新なデザインの新車種に切り替えてゆけない。

GMの倒産による経済的打撃は大きいし、メディアはアメリカ製造業の終焉とさえ書くだろう。だが、破産法第11章の申請は、ある意味で本当のGMの改革の出発点となると考える。

まず経営陣をすべて一掃できる。現在のCEOワゴナーはGMの生え抜きである。GMの手あかのついた人間にはすべてお引き取り願って、外から人をいれる。そしてGMを車種ブランドごとに切り売りしたり、再建させる。日本でGM車を乗っている方は少数派だが、アメリカには根強いファンがいないことはない。

 「キャディラック」「ブュイック」「シボレー」「ポンティアック」「オールズモービル」といった車種ブランドの名前を聞けば、「ああ」と思われる方も多いと思う。大型車である「ハマー」もGMである。採算のとれそうなブランドだけを残し、あとは閉鎖である。長期的な改革計画を練って良質の車を製造してゆけば、復興は十分にあるだろうと考えるが、莫大な設備投資をしても構わないという買い手がどれだけいるか。

私は一刻も早く破産法第11章を申請すべきだと思っている。(敬称略)

カテゴリー: 雑感 ― 2008年12月8日
めちゃドメスティック

ふだん国外のことを書くことが多いので、今回は自宅から半径200メートル以内のことを書くことにする。

私は東京の北区東十条というところに住んでいる。東十条という土地の名を告げると、「渋いですねえ」という返答をよくいただく。「渋いですねえ」は別の言い方をすれば「地味ですねえ」であり、「さえないですねえ」の意味も少しあり、さらに「おしゃれじゃないですねえ」というのが本音だろうと思う。

長年住んでいたワシントンのマンションにはプールとテニスコートがあり、200台収容の地下駐車場があった。さらにジムと図書室、パーティールームという部屋もあり、警備員が24時間いた。玄関前には噴水もあった。

東十条のマンションとの落差は大きい。ここには駐車場こそあるが、それ以外のものはなにもない。管理人さんは夕刻になれば帰ってしまう。住環境の違いは歴然としているが、周辺が実に人間くさくて楽しい。

徒歩2分のところに活気のある商店街がある。大きなスーパーもあるが、昔ながらの商店の方がにぎわっている。魚屋だけで5店舗もある。そこでの人とのつきあいはアメリカでは味わえない暖かさがある。

豆腐屋でごま豆腐をかうと、「豆乳ももっていきな」とタダでくれる(毎回ではない)。ありがたいことである。

あるドラッグストアで薬を買うと、初老の女性店員が「あんた、ビタミン足りてる?CとEの錠剤をあげるからね。それに手に塗るクリームも入れておくね」といって、紙袋がはちきれんばかりにタダのものを押し込めてくれた。帰路、袋からビタミン剤が飛び出した。

近くのパン屋のおやじさんとは特に親しい。毎回ではないが、よくリンゴや梨、饅頭をくれる。また、サンドイッチにトマトを入れ忘れた日があり、「10円まけておくね」とやさしく微笑まれた。泣ける思いである。こちらも妻が焼いたケーキをお返しに届けた。

12月7日の日曜。商店街の餅つき会があり、顔を出すと「ついてくれ、ついてくれ」といって、杵(きね)を手渡された。生まれて初めて杵を振るうと、すぐに指導が入った。

「ダメダメ。足は動かさないで。腰をいれて、まっすぐ振りおろす」

「ハーイ」 

右手の親指のつけ根が痛くなるまでついてから、杵を返した。

海外取材とニュースばかりを追っているので、地元の優しさにはほっとさせられる。アメリカにはない人との心のつながりができた気がしている。