秒読み

しばらくブログの更新を怠っていたら、「ヒラリー撤退」が秒読み段階にまできた。

 先月下旬、NNN24の大統領選挙特番に出演した時、民主党の代表候補が決まる時期をボードに書かされたので、思いきって「6月中旬」と記した。テレビはそういう媒体なので、ハズレても悔いはない。

「はっきりしたことはわかりません」などと慎重なことを言っていては興ざめである。予測は予測だ。もはやオバマが勝つことを疑う人はいない。それが早まるかどうかだけである。すでにオバマ陣営とマケイン陣営は、党大会までの3カ月間に討論会を行う計画を立てている。動きは早い。

政治家としての経験はマケインに敵うわけもないが、経験不足が理由で選挙に負けるわけでもない。ネケディもクリントンも経験不足のまま大統領に当選した。二人の対抗馬は老練なポリティシャン(ニクソンとパパブッシュ)だったが、決め手になる要素は他にあった。元首レベルの政治家になるための重要点は、学習能力の高さとリーダーシップ、コミュニケーション能力、そしてまぶしいくらいに輝くカリスマ性である。自民党の福田はそのすべてを欠落させている。 

11月の本選挙は選挙人システムで行われる。代議員もわかりにくかったが、今後は選挙人というさらなる難関が待ち受ける。そのシステムの中で、アメリカの有権者動向を冷静に眺めると、オバマよりも「マケイン有利」であることは明らかだ。

大統領選挙を丹念に追っているアメリカの研究者やジャーナリストはすでに州レベル、さらに激戦州の地区レベルで勝敗ラインの予想に入っている。民主党レースがこれだけ盛り上がっても、1980年以降クリントン政権を除いて共和党保守が大統領を当選させてきたことを考えると、マケインにカネが集まっていなくともあなどれない。

オバマの勢いと魔性が秋にどこまで共和党を崩せるかが見ものである。(敬称略)